赤から黒は難しい。なくなっちゃうの?路線バス

2018年12月26日 16:00

昨今、日本全国で路線バスの縮小・撤退が相次いでいます。
先日は、京都市がこれまで運航を委託していた民間のバス会社が事業縮小などを理由に、受託事業者から撤退するということになり、撤退後の路線は京都市交通局が直営で継続することになりました。

京都市交通局は15年連続で経常黒字でしたが、今回の問題を含め都市交通局は、『今後10年間で100億円を超える経常赤字が発生する』と発表しました。公共期間の場合、一般会計予算(税金)から補填することで、『経常黒字』になるカラクリがありますが、京都市交通局の場合、14年度からは税金による補填もなく自立経営ができていましたが、バスの運転手確保、整備士確保、そして車両の更新費用など様々な費用がかかることから、来年度から10年間の市バス事業の経常赤字額が計100億円を超える見通しとなったそうです。

私の横浜市長時代、横浜市営交通局の市バスも22年ぶりに経常損益、営業損益ともに黒字になりました。その為に、働き方の見直し、路線の見直しなど様々な改革を行い、労働組合から大反対をされて、路線の見直しでは市民からも大反対をされました。それでも、私が「黒字にしなければいけない!」そう強く考えて改革を行ったかと言うと、これからの高齢社会において、『「赤字」でも大丈夫』ではなく、黒字にすることで、これからの体力を作っていかなければいけないと考えたからです。

公営交通がしっかりと経営を維持していくことも大変ですが、今回のように、民間事業者も今や大変な時代を迎えています。京都の場合は民間バス事業者が路線バスの受託から撤退したことによるものですけが、福岡市を走る西鉄バスも路線の縮小や撤退を始めています。西鉄バスグループは日本有数のバス会社で、まさに福岡市民の足です。
従業員は4,200人もいるんですが、その西鉄が黒字路線を縮小したり、夜の最終便を早めたりするなど、運転士不足対策を行なっています。

これらの問題の根源は運転士不足です。
この運転士不足問題、単純ですが根深い問題です。
なぜ運転士が集まらないのか、それは労働における拘束時間が長く、給与が決して高くないというのが背景にあります。

では『運賃を上げ、給与を高く設定すれば解決する』と考えたくなりますが、公共交通機関ということもあり、バス会社が勝手に運賃を上げるわけにもいきません。国土交通省が絡んだ話になってくるわけです。このようなジレンマがありますが、自動運転技術などの実用化を世界より先んじてやっていく、こういう解決策なども考えていかないと路線パスがなくなってしまいます。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年12月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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