子どものお年玉を…ギャンブル依存症者の家族は年末年始、油断禁物!

田中 紀子

みなさま、もうそろそろ年末年始のお休みモードに入っているのではないでしょうか?
日頃せわしない生活を送っている皆さんですから、是非ゆっくりとしたいところですよね。

さて、もちろんのんびりム~ドは良いのですが、ギャンブラーのご家族は「お金」と「金目のもの」だけは、細心の注意をはらい、厳重に管理した上でお休みを楽しんで下さいね。

何故なら、毎年言っていますが、年末年始というのはギャンブラーが最も問題を起こす時です。
理由は以下のことが考えられます。
・ボーナスが入るから
・ヒマな時間ができるから
・なんとなく浮かれた気分があるので浮足立つから
・ギャンブル産業がイベントや重賞レースを仕掛けるから
・周囲が浮かれているのに自分は孤独だから

などなどです。
その人が置かれている状態で、理由は変わりますが、いずれにせよ年末年始は問題がとても多く起こります。

以下に本当にあるギャンブラーの家庭で年末年始に起きる問題BEST3をアップしますのでこれらを読み、特にお子さんがいる家庭では、お子さんを巻き込み傷つけないように注意を払って下さい。

・子どものお年玉を盗む
年末年始の相談で最も多いのがこれです。
子供が非常に傷つくので、お年玉は母親が預かって厳重管理して下さいね。

・子どものクリスマスプレゼントを売り飛ばす
特に人気のゲームソフトだったり、ゲーム機などを売り飛ばします。これは子供に限らず、高校生以上の兄弟でも起きます。子供がものすごいショックを受けるだけでなく、ギャンブラー本人もさすがに罪悪感でいたたまれず、失踪へと繋がるパターンです。

・成人式の着物を売り飛ばす
これは姉もしくは妹の着物を、ギャンブラーの兄弟が売り飛ばすパターン。着物は、早めに美容院に持っていくとか、実家に預けておくなどしておきましょう。

本当に信じられないことが、現実として起きるのがギャンブラーの家庭です。

そして年末年始は、行政や病院、弁護士事務所など殆どの期間がお休みに入り、何かが起きても相談できるところがありません。

我々は、そんな仲間達のために、年末年始も代表電話が繋がるようになっていますから、緊急の問題が起きたら、連絡してくださいね。

万が一、お父さんが子供を傷つけるようなことをしてしまった場合、ギャン妻自身も傷つき、激怒したい気持ちになりますが、「お父さんは、病気なのよ。」と、病気の説明をするようにして、子供の前でののしったりしないよう心掛けてみて下さい。

なかなか難しいとは思いますが、私たちが応援します。
まず、我々に電話をかけて下されば、どう子供に話すべきかレクチャーしますので、冷静になってから子供に話してみて下さい。

それから正月三が日は、失踪していたり、一人暮らしをしている、孤独なギャンブラーがお金を使い果たし「死にたい」と電話をかけてくることも非常によくあります。この時こそチャンスになりますので、どこかに繋げるようにしましょう。

地域によって受け皿も変わってきますので、慌てずに一度「こちらもちょっと誰かに相談させてね。かけ直すわ」と言って電話を切り、我々に電話を下さい。どこにどうつなげていけばいいか、どう対応したらいいかアドバイスいたします。

まだ困難な状態にあるギャンブラーの家族にとって、年末年始は楽しい事ばかりではないでしょう。
でも、家族が自分の内面を見て、変えられるものを変えていけば、同じ問題で来年も悩んでいることは決してありません。

そう信じて、万が一ピンチが訪れたなら、それをチャンスに変えて行きましょう。
そして私たちが必ず手助けします。どうかあわてずに、お電話して下さいね


編集部より:この記事は、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2018年12月26日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。