お役所への申請書類の様式を廃止せよ

2019年01月04日 11:30

日本経済新聞の年始連載「カイゼンお役所仕事」はよい企画だった。

第1回は、本人確認や意思表示の手段としてのハンコに疑問を投げかけた。熊谷千葉市長が問題提起したのは2013年だが、未だにハンコの重用が続いている。この間に3Dプリンタ技術はさらに進歩し、陰影を鮮明に示す印鑑証明書からの偽造はますます容易になった。

第3回は現金主義。手数料から給食費までキャッシュレス化が進まない現状を嘆く。

とくに注目したのは第2回「子育て申請にため息。」。東京都文京区の30代男性が出生届、児童手当、子ども医療費助成、保育料減額と書類を書くたびに住所・氏名・生年月日など同じ内容をひたすら記入させられたという内容である。気になったのは次の一文。

せめて区役所のホームページにある申請用紙ファイルにパソコン入力できれば楽なのにそれもできない。「入力時に様式が崩れてしまう恐れがある」(広報課)からだという。

文京区児童手当の認定及び支給に関する事務の取扱いに関する規則」は別記様式第4号で児童手当・特例給付認定請求書の様式を定め、様式は画像として例規集に掲載されている。

区民は画像通りの請求書を区役所窓口で入手し、必要事項を記入して提出する必要がある。請求書には請求者と配偶者がそれぞれ捺印するようになっている。健康保険証のコピーは請求書の裏面に貼付する。

なぜ様式が重要なのだろう。様式には区役所が把握すべき情報が添付書類を含めてすべてある。記載内容に不足がなく真正と確認できば請求は認定できる。そう、様式は職員の点検作業を楽にする。

実は職員には後作業がある。児童手当を認定した者の一覧も必要になるし、支給総額も把握しなければならない。そのため、職員には記載内容をパソコンで入力する作業が残っている。

様式は区民に服従を強いて、30代男性は膨大な書類を埋めるのにうんざりした。しかし、たくさん書類を書けば自然に字は雑になるから、「斎藤」か、「齋藤」か、「斉藤」か職員は迷うかもしれない。バックオフィスでは職員も苦労する。

法律や条例・規則で様式を定め国民に使用を強制する今までのやり方を、「国民第一主義」に改革する必要がある。1700自治体個々に例規集を端から端まで見直すには膨大な時間がかかるから、無駄な様式は一括して廃止する特例法が求められる。

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