有料メルマガの存在は日本の世論に良くなかったのでは --- 三沢 一樹

2019年01月10日 06:00

以前、『池田信夫的政策が停滞した10年』という文章を掲載していただいた。

そこで、この10年を振り返って、アゴラ的な言説がいまいち流行しなかったという感想を述べた。その一方で、保守系の言論人の知名度・人気は増した。保守系雑誌「HANADA」はしばしば完売・大増刷となっている。

その理由はいろいろ考えられるだろう。まず外部要因。中国や北朝鮮の脅威が目に見える形で増加し、日本人の意識が安全保障や外交に向いた。

他に耳障りのよさ、わかりやすさもある。アゴラの文章は、しばしば大学の学部生程度の知識を要することがあるが、保守系言説はそれに比べるとわかりやすい。また保守系言論人が述べている政策は耳障りがよいことが多い(増税はする必要がない等)。

他に考えられるのは有料メルマガなどのクローズドな媒体に活動の場を移したか、そうでなかったかも挙げられるのではないか。

池田信夫氏、城繁幸氏等が有料メルマガに言論活動の肝心の部分を移したことで、インターネット上での存在感を薄めてしまった事は、アゴラ系言論の世論形成への影響力を下げてしまったと私は思う。

一方で保守系言論は無料で閲覧できるユーチューブ動画や、他紙と比べると無料で読める記事が多い産経新聞(さらにzakzak)を足場にして存在感を増してきたのではないか。

著者の収入を度外視して、世論形成という尺度で言論活動の成功・不成功を測った場合、有料クローズドよりも無料公開で行う方がよいのではないか。

これらは全て非定量的で、客観的なデータに基づかない直感による分析だから見当違いかもしれないが、公益という視点から見た場合、知識人が有料メルマガに引きこもってしまうのはよくないのかもしれない。

三沢 一樹 個人投資家
1979年生まれ。会社員を経て個人投資家へ。

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