ピンチはチャンスか?五輪招致疑惑を払拭し、支出の透明化を図れ

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。 昨日は2020東京大会に関連して、衝撃的なニュースが日本を駆け巡りました。

フランス検察当局が、五輪招致を巡る汚職疑惑で、JOC竹田会長を起訴する準備に入ったことを複数の海外メディアが報じています。 これを受けてJOC竹田会長は「昨年12月に捜査協力したことが事実だが、起訴はされていないし贈収賄の事実もない」と否定するコメント発表しました。

起訴には至っていないものの、起訴前の「予審手続き」に入っていることは事実のようで、予断を許さない状況が続いています。

現時点でフランス検察当局が疑惑として追及していることは、必ずしも定かではありませんが、2016年に報じられた国際陸上競技連盟(IAAF)前会長の関係者が所有するシンガポールの銀行口座に約2億2000万円が振り込まれていた事件である可能性が高いです。

2016年当時のJOCによる対応も含めて、郷原弁護士が下記の記事で詳述されています。

竹田会長「訴追」で東京五輪の危機を招いた政府・JOCの「無策」

2016年リオ五輪に関連しても、ブラジル・オリンピック委員会(BOC)のカルロス・ヌズマン会長が逮捕・起訴されており、類似の構造である今回の件でも竹田会長が起訴される可能性が十分にあることが示されており、事態は深刻さを増していると言わざるを得ません。

2016年と異なり、報道ベースだけではなく竹田会長自身が聴取を受けている事実を明らかにしている以上、開催都市である東京都と都議会も調査・対応に動き出す必要があります。

幸いと申しますか、都議会では今月末から2月にかけて、バージョン3予算を審議するオリンピック・パラリンピック特別委員会の開催が予定されています。

このオリパラ委員会にはJOC竹田会長または関係者を参考人招致し、疑惑についてはっきりとした説明を求めるべきでしょう。

フランス当局との争点はおそらく、振り込んだ約2億円が正当なコンサル業務としての対価だったのか、票を買うための見返りだったのかがという一点です。

もちろんJOC側の「支払った金額は正当なもので、妥当である」という主張は存じておりますが、委員会という公的な場で改めてそれを説明・表明していただき、質疑によってそれを深める必要があります

その上で「疑惑なし」と十分に都民・国民が確信できたのであれば、我が国の威信にかけて身の潔白を世界に主張・PRしていかなければなりません。

そもそもこうした疑惑が生じた原因の一端は、招致委員会時代の活動も含めて、五輪にかかわる支出があまりにも不透明だったことにあります。

折に触れてブログでも取り上げているように、来年に迫った五輪の開催費用すら大項目のみ・50億円単位というずさんな予算計画となっており、その体質は変わっていません。

招致委員会時代の支出も含めて、いま一度「お金の流れ」を徹底的に情報公開・透明化するべきではないでしょうか。そして開催都市である東京都にも、同様の疑惑が持たれる支出がなかったかどうか、再確認する必要があります。

フランス当局の今後の動き次第では、東京大会が危機的な状況に晒される可能性があることは確かです。しかし、ピンチはチャンス。

これを機に支出に係る情報が徹底的に公開され、全世界に日本の潔白と透明性をアピールするとともに、五輪開催経費がいま一度都民・国民によって見直される契機になることを望み、私自身も都議会を通じて提案していくものです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年1月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。