実現したいこと①福祉から超福祉への転換!

2019年01月13日 06:00

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出) おくざわ高広です。

先日、NPO法人ピープルデザイン研究所 代表理事の須藤シンジさんとお会いしてきました。渋谷さんは、障害者をはじめとするマイノリティや福祉そのものに対する「心のバリア」を取り除こうとする「超福祉展」の仕掛け人でもあり、既存の常識や考え方にとらわれずに福祉の常識を超えていこうと取り組んでおられます。超福祉展で初めてお会いして、著書を読ませていただき、ズバーンと雷が落ちるような共感を覚え、アポイントをとらせていただきました。

そもそも、「超福祉」って何かというと、

『一人ひとりの心の中に存在する、障害者をはじめとしたマイノリティや福祉に対する「負い目」にも似た「意識のバリア」。

“超福祉”の視点では、従来の福祉のイメージ、「ゼロ以下のマイナスである『かわいそうな人たち』をゼロに引き上げようとする」のではなく、全員がゼロ以上の地点にいて、混ざり合っていることを当たり前と考えます。ハンディキャップがある人=障害者が、健常者よりも「カッコイイ」「カワイイ」「ヤバイ」と憧れられるような未来を目指し、「意識のバリア」を「憧れ」へ転換させる心のバリアフリー、意識のイノベーションを“超福祉”と定義します。』(超福祉展HPより引用)

『道の段差はお金の問題もあり、すぐにはなくなりませんが、心の段差は行動次第で埋めていきます。でも、行動を変えるには、きっかけと勇気、そして何より街の空気の変化が必要です。

ピープルデザインが目指すのはひとりひとりの気持ちのデザイン。違いを受け入れて、助ける必要があれば助け、理解する必要があれば理解する。そういう人が増えて、空気が変わっていけばマイノリティの人たちも臆せずに街に来てたのしめるはずです。

そのために私たちは既存の常識や考え方にとらわれず、クリエイティブに、たのしく、気持ちが動いていくような取り組みをしていきます。どんなものも吸収して、新たな文化にしてきたシブヤだから目指せる、みんなが幸せのかたち。いわば「超」福祉な街を目指して活動していきます。ピープルデザインが目指すのはひとりひとりの気持ちのデザイン。違いを受け入れて、助ける必要があれば助け、理解する必要があれば理解する。そういう人が増えて、空気が変わっていけばマイノリティの人たちも臆せずに街に来てたのしめるはずです。』(ピープルデザイン研究所HPより引用)

昨年6月の一般質問でも取り上げましたが、障害者、シングルマザー、ひきこもりなど就労に困難を抱える方は数多く存在します。昨年、省庁における障害者雇用の水増し問題が発覚しましたが、手帳をベースにした障害者雇用の数値目標と罰則規定では、一部の身体障害者(例えば、車イスを利用するが、それ以外の能力は健常者よりも秀でている方)の取り合いになっているのが現実です。それ他の障害者については、月の工賃15,000円以下の就労継続支援施設で作業に従事するなどの生活を送っている方も多く、ご家族の支えと手厚い福祉が無ければ暮らしていけません。

平成30年度の国の障害者施策関係予算は、2兆円を超えており、うなぎ上りです。これまでが不足していたともいえるので、一概に悪いとは思いませんが、赤字国債を発行しつづけている財政状況を考えれば、予算を増やし続けることができないのが実情であり、どこかで日本の福祉の発想を転換しなければなりません。私は、そのカギとなるのが、「超福祉」の取組であると考えています。

渋谷さんの言葉で印象的だったのが、「オフステージからオンステージへ」という言葉でした。これまで、日の当たらなかった、どちらかというと隠れるように暮らしてきた障害者が、輝く舞台に躍り出てくる機会をつくることで、本人も周囲も気持ちがガラッと変わるそうです。

中でも、川崎市と川崎フロンターレと連携して取り組んでいる就労体験は、都においても実現させたいことの一つです。川崎市で開催されるイベントやサッカーの試合において、スタッフの10%程度の枠をもらい、その業務内容に合わせて、障害者をマッチングしていき、警備や誘導、チケット切りなどの仕事を行うそうです。

最初は尻込みをしてしまう障害者も、初めて障害者と一緒に働く健常者も、一緒にいることが当たり前になり、また、Jリーグや音楽イベントなどのカッコイイ舞台で働くことが就労への大きな原動力になるそうです。また、イベントの主催側にとっても、運営費の削減につながっているようで、win-winの関係が構築されています。

2014年には就労体験参加者数136名だったのが、2017年には743名になり、正規就労者数は2名から88名まで増加したというのですから驚きです。障害者福祉施設をまわって、在籍者のできること・できないことを聞いてまわり、行政との情報共有を行い、イベント主催者との折衝を行うという骨の折れる作業を、ほぼ手弁当でやってこられた皆さんには頭が下がるばかりです。現在は、ショートタイム・ジョブ制度の実現へと動いておられます。私に出来ることは、このような取り組みを支援するのはもちろんのこと、広く社会に普及することであると考えており、あらゆる場面で発信していきます。

昨年、東京都障害者差別解消条例が施行され、合理的配慮が義務付けられました。でも、最も大切なのは、まちの形を変える事でも、制度を変える事でもなく、私たちの心を変えることです。福祉から超福祉へ、オフステージからオンステージへ、タックスイーターからタックスペイヤーへ、ピープルデザイン研究所の挑戦を、今後とも後押ししていきます。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年1月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログ『「聴く」から始まる「東京大改革」』をご覧ください。

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奥澤 高広
東京都議会議員(町田市選出、無所属 東京みらい)

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