被選挙権も成人と同時に

小林 史明

全国125 万人の新成人の皆さん、成人、おめでとうございます。私の地元、福山市では昨日成人式が行われ、4912人が成人となる、平成最後の成人式に私も出席させていただきました。

何をもって成人とするか—- 長い間20歳をその区切りとされてきましたが、選挙で一票を行使できる年齢は2016年の公選法改正施行により、18歳に引き下げられました。そして民法上も昨年の通常国会で改正案が成立し、2022年度から18歳となります。少年法の適用年齢も20歳未満から18歳未満への引き下げが検討されており、一方で女性の結婚年齢は男性と同じく18歳以上に引き上げが決まっています。

人口減少・人生100年時代の到来・圧倒的なテクノロジーの進展など大きな変革期にある日本においては、社会課題を解決する政治にこそ多様性が必要です。昨年5月の通常国会で「政治分野における男女共同参画の推進に関する法案」が成立、施行され、政党が男女の候補者の数をできる限り均等となることを目指すことが定められました。

大きな前進ですが、ここで満足することなく、被選挙権も18歳からとするべきだと考えています。昨年11月のブログでも紹介しましたが、私が事務局長を務める「若者政策推進議員連盟」では、

①被選挙権年齢の18歳への引き下げ
②供託金の大幅引き下げ

の2点を各党に提言しています。(提言全文はこちら

①については、衆議院や市区町村長、地方議員は25歳以上ですが、参議院や都道府県知事は30歳以上に設定されています(ちなみに私の初当選は29歳でした)。②についても立候補の乱立を防ぐ目的があり、現行のルールが設定された戦後まもなくの頃は、政治家になるには一定の社会経験と資金が必要という考えだったのでしょう。

しかし、戦後70年、時代や社会環境の変化とともに、人々は多様な経験や価値観を持ち、政治家に求められる能力や適性も変わりました。地域の人々と強いつながりを持ち、強いリーダーシップを発揮していく経験豊かな政治家も、新しい技術や世界情勢のスピードに柔軟に対応する機動力のある政治家も、これからの日本には両方必要なのです。

18歳からを成人とし、社会に対する責任を負うと同時に、選挙権と被選挙権双方を持つことにより、未来の国づくりに参画できる権利と希望を手にすることが、国と国民のフェアな関係となります。年齢で一律に被選挙権を区切るのではなく、できるだけ多くの才能が政治の現場で働ける環境を作ることが、国を豊かにしていくのです。そしてその候補者が政治家にふさわしいかどうかは有権者に能力や適性をご判断いただくというのが本筋です。

本日成人を迎えられた皆さんを始め、国民の皆さんからも声をあげていただき、現在の議連の提言から法改正にまで漕ぎつけるよう、応援してもらえると嬉しいです。

小林 史明  衆議院議員(広島7区、自民党)

自民党青年局長代理、行政改革推進本部事務局長。 電波、通信、放送政策、海洋水産政策、社会システムのデータ、標準化に取り組んでいる。2007年上智大学理工学部卒業後、NTTドコモに入社。2012年の衆院選で自民党から立候補し、初当選。第3次、4次安倍改造内閣にて総務大臣政務官(情報通信、放送行政、郵政行政、マイナンバー制度担当)。公式サイト。LINE@では、イベントのおしらせや政策ニュースをお届けしています。登録はこちら


編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(自由民主党、広島7区)のオフィシャルブログ 2019年1月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明オフィシャルブログをご覧ください。