サマソニ20周年 B'zヘッドライナー出演への批判はナンセンスだ

2019年01月19日 06:00

日本を代表する夏フェスの一つ、SUMMER SONIC。今年で20周年だ。夏フェスに関しては、フジロック派、ロッキン派、サマソニ派などと分類されがちだが…。

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いかにもフジロックファン風に見える私だし、伝説の第1回、第2回にも行ったし、苗場へも何度か行っているのだが、実はサマソニ派だ。東京在住だと、アクセスもよく快適。仲間も誘いやすい。山梨の富士急ハイランドコニファーフォレストで開催された第1回から、ほぼ毎年、通っている。

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ヒストリーサイトがオープン。歴代ラインナップをみて、感傷に浸っていた。ペットボトルがステージに投げつけられジェイムス・ブラウンがキレたのも、ガンズ・アンド・ローゼズがなかなか登場しなかったのも、逆に遅刻常習犯のX JAPANがほぼ定時に始まったのも(YOSHIKIがWE LOVE YOUと叫んだのだが、伊良部にしか聞こえなかった)、RADIOHEADが珍しく”CREEP”を演奏したのも、ペット・ショップ・ボーイズやデュラン・デュランなど小学生時代から聴いていたレジェンドを目撃したのも、矢沢永吉が出演し35度の炎天下の中で白いスーツ軍団がかけつけたのも、すべて懐かしい。

さて、まだ1月半ばだというのに、SUMMER SONICのヘッドライナーが発表された。今年は10年ぶりに3日間開催。しかも、米国で復活するウッドストックと予定が丸かぶりという状況。どのようにアーチストを揃えてくるのか注目される中、発表されたのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、B’z、チェインスモーカーズだった。B’zは初の日本人ヘッドライナーアーチストとなった。夏フェスに「愛のバクダン」が投下される!

今回は主催者のクリエイティブマンから、日本人ヘッドライナーの投入が予告されていた。私はB’zの他、サカナクション、ONE OK ROCK、BABYMETALあたりを予想していたが。

このB’zがトリを務めることについて、批判的な意見がネットでは散見された。しかし、これはサマソニとは何かをまったく分かっていない意見だと言える。B’zの代表曲風に言うならば「さまよえる蒼い弾丸」とも言えるもので、要するに的外れだ。

サマソニには当初から日本人のアーチストを投入していた。2000年の第1回にもDragon Ashが出演していた。その場にいたが、洋楽アーチストの格の違いを感じてしまったのだが。特にここ数年は邦楽はロックに限らず、アイドルや、日本のレジェンドアーチストも出演するようになっていた。和田アキ子や、郷ひろみも出演したし、ロックミュージシャンたちとの共演というスタイルで加山雄三も出演している。B’zが出演するのも、これが最初ではない。

なお、「フジロックは本物感のあるロックを中心としたフェスだ」と思いこんでいる人もいるが、これも間違いだ。第1回目から、邦楽の売れ筋アーチストが出ている。トリをつとめ、約30分でステージを降りたレッチリの前は、イエローモンキーだった。最近はサマソニほどではないが、オールジャンル化が進んでいる。

B’zはセールス、評価において日本を代表するアーチストである。シングルの連続1位の回数、アルバムの売上などセールスの実績についてはいまさら言うまでもないだろう。アジア圏のミュージシャンとして初めてThe Hollywood’s Rock Walkに殿堂入りしている。ギターの松本孝弘はグラミー賞も受賞している。好き嫌いは別として、ヘッドライナーを務める資格があることは直視したい。

ビジネス的な点から言うならば、彼らをヘッドライナーに起用するのは、動員が読めるからという理由もあるだろう(あくまで私の推測である)。B’zには固定ファンがついている。彼らが音源を購買しライブに通い続けている。だからいつもヒットチャート上位に入るし、ライブのチケットは争奪戦になる。

サマソニに初回から通い続けているが、正直なところ、動員が厳しい年はある。あくまで体感値であるが、フジロックは都心を離れて新潟の苗場まで行き、しかもその日のうちに帰ることができるとは限らない環境だ。そうであるがゆえに、行くには「覚悟」が必要であり、コアなファンがついている。

これに対してサマソニは、ヘッドライナーに左右される度が大きい。さらには知名度があっても、動員力がないヘッドライナーというものもいる。イベントの主催者から言うならば、B’zのヒット曲風に「Don’t Leave me」と叫びたくなるだろう。

B’zには常に賛否はあるし、若いファンにとっての魅力は薄いかもしれない。ただ、動員力があるのだ。もっとも、若い人にとっては彼らはレジェンドであり。フェスなら・・・とのことで、新規のファン獲得につながる可能性もある。

私はファンクラブの入るほどではないものの、B’zが大好きな人材である。学生時代は、警備のアルバイトもしたこともある。初期のビデオクリップに出てくる、すすきのの「天鳳」というラーメン屋も大好きだ。

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髪型も、90年代の稲葉浩志を意識している。

この頃の稲葉さんを、だ。

B’zがヘッドライナーを務めるということも、よくも悪くも日本のロックフェスの現状を物語っている。まずは現実を直視しよう。B’zのヘッドライナー出演を批判する輩は、ロックを全く分かっていない。っ商業的だとか、洋楽かぶれだという批判もあるかもしれないが、30年以上、先頭を走り続けている彼らは、ロックそのものだ。

そして、この夏、一緒に「ultra soul」を爆発させよう。同志諸君!サマソニで一緒に叫ぼう。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2019年1月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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