AIに勝とうとするバカ

2019年01月26日 06:00

現在は人手不足だという認識が強く、経産省が試算するように、10年後に人余りになるとはにわかに信じがたいです。また、とある人材派遣会社によると、すでにホワイトカラーの頭数は足りていて、数年後の大学生の就活はたいへんなことになるという話も聞きます。

そこでですが、話が大きくなるのです。これからは、「AIやロボットに取って代わられない創造的な仕事をやろう」という話になってきます。

けれども、だれもがAIに勝てる技術を身に付けられるのでしょうか。AIを開発したり上手に利用できる側に回れるのでしょうか。

例えばです。わたしは落合陽一さんやホリエモンさんを尊敬していますが、だれもが落合さんらが提案しているようになれるのでしょうか。正田さんやイケハヤさんやはあちゅうさんは、ある意味すごいと思いますが、その「勝ち組」というポジションを多くの人が目指した時点で、無限連鎖講で破たんしています。(前者と後者を同列に論じたら怒られそうですが)

AIを作る側に回るということは、そんなに簡単なのでしょうか。クリエイターや一部のサイエンティストのように、「AIを利用する側」というと、「脱社畜」のような空疎なものではなく、ビジネスという実態をともなっているだけによりリアルで、なによりがんばれば誰でもできそうに思えてしまいます。

けれども、冷静に考えれば、それはみんながブロガーとかユーチューバ―になろうというくらい大それたことだと気づいてしまいます。

ここには、さいきん絶賛炎上中の「脱社畜サロン」的な構造を感じとってしまいます。もちろん、先端の技術で「勝ち組」になる人は、サロンのオーナーになるよりも多いでしょうが、労働人口全体からみると微々たるものではないでしょうか。

実力もないのに承認欲求に負けて「おれにもできるんだ」と勘ちがいしてしまうのは、よくある不幸への第一歩です。そうしないと胴元はお金持ちになれないでしょうが、バカであるわたしたちにとって、自己啓発本やビジネス本は、控えた方がよいでしょう。

わたしたちのような一般人は、なるべく最後までAIにとって代わられない現場の細やかな仕事のようなものを目指して、それでもAIにとって変わられるときには、みんながみんな失業者なので、それはそのとき考えましょうよ、というのが穏当で現実的な考えだと思うのですが、いかがでしょうか。ちょっと後ろ向きすぎるでしょうか。

中沢 良平

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