「就活兄貴」が推奨する、やらない就活、捨てる就活とは?

2019年01月30日 11:30

政府は新卒の求人倍率が好転していると宣伝しているが、実際の求人は1割の学生に集中し、9割の学生がこの枠から外れて塗炭の苦しみにあえいでいる。今回は『就活兄貴の非常識な就活 悩める9割の就活学生を救う!!』(みらいパブリッシング)を紹介したい。著者は、饗場俊行 (あいばとしゆき)さん。別の名を『就活兄貴』というらしい。

筆者は、企業の採用に関わる仕事を20年以上行い、関連書籍も出版しているが、「新卒採用ほどムダなものはない」と考えている。とくにエントリーシート(以下、ES)ほどムダなものはない。就活関連書籍を読むと、企業へのエントリーを絞ることが推奨されている。しかし、エントリーを絞ると、チャンスを棒に振る危険性がある。

学生に講義をする際には、「エントリー時は可能な限り多くの企業に申し込むように!」と指導している。効率良く就活を進めるには、ESにかける時間を削減することが必須である。ESの内容が素晴らしくても内定に及ぼす影響度は希少である。そんなものに時間をかけるのはムダということになる。

就活を効率良く乗り切るには、業界別に数パターンのESを用意しておけばいい。自分が思うほど、差別化したESなど書くことはできない。内容は平易なもので十分である。なまじっか、ESのようなものに時間をかけるから、お祈りメールが来た時にショックを受ける。エントリーするために最低限の体裁を整えておけば、問題はない。

また、新卒採用には道義的な問題が存在する。いわゆる「ステマ」である。就活におけるステマが増えている。例えば、就活レポートなどがそれに該当する。

人気企業ランキングなどはその代表的なもの。ソースを見ると、自社サイトの登録者に対してリサーチをかけたとあるが、個人情報保護の観点から本人確認ができないので、ソースを信頼することはできない。レポートを読むと、自社のサービスを利用しているお客様が上位にランキングされていることがよくある。

もはや、建前ではなく本音の議論が必要である。とはいえ、情報が氾濫するなかで現状の就職戦線がどうなっているかを理解する必要もある。本書のテーマ、9割の学生が有益な情報を得られていないとする論点は間違いではない。

優良企業からの内定を勝利とするのであれば、数の論理に勝るものはない。上手く狡猾に立ち振る舞った学生が勝利をものにするだろう。そのためには就活の環境を適切に把握することが大切である。あなたの成功を祈っている。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

※エントリーシートの書き方に迷ったら本書もおすすめです。誰にでもわかりやすく、平易な内容に仕上げてあります。筆者11冊目の著書。発売2週間で3刷と堅調です。
即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社)

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尾藤 克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

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