児童虐待死は親をやはり死刑に

2019年02月02日 06:00

繰り返す鬼も泣く殺人

千葉県で小学4年(10)の女児が親の虐待を受け、死亡しました。「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と、悲痛な叫びを学校のアンケート調査に書き込んでいました。「夜中に起こされたり、起きているときにけられたりたかかれたりされています」とも。

ANNニュースより:編集部

栗原心愛さん。「みあ」と読むそうです。はっと思い出したのが、18年2月に虐待死した船戸結愛さん(5)です。「ゆあ」と読みます。心愛さんと結愛さん。あまりにも似た名前です。親の心からの愛情を注がれ、あるいは両親の愛の結晶という意味を込めた名だったのでしょう。2人とも虐待死です。

結愛さんは「おねがい、もうゆるしてください。パパとママにいわれなくても、もっとあしたはできるようするから」と、ノートに書きつけていました。平かなの練習を親から命じられ、朝の4時起き。ろくな食事を与えられず、真冬はベランダの放置され、衰弱、低栄養状態で亡くなったそうです。

虐待死は年350人

2017度の児童虐待数は27年連続で増え、過去最高の13万人、うち虐待死は77人(心中の28人を含む)です。日本小児科学会の推計はもっと多く、虐待死は国の集計の3、4倍で、年間350人です。

私はブログで「子を虐待死させた親は死刑に相当」(18年6月7日)、「親は死刑に多数の意見」(同12日)、「児童虐待死に親の極刑求める声」(同10月5日)と、何度か取り上げました。私のブログとしては、極めて多数のコメントが寄せられ、多くの国民の怒りを感じ取りました。

結愛さんの事件後、安倍首相が関係閣僚会議を開き、「緊急に対策を講じる」ことを指示したので、痛ましい事件は減っていくのかと思っていました。そこへ心愛さんの虐待死です。こともあろうに、野田市の教育委員会が心愛さんのアンケート調書のコピーを父親に手渡した。怒り狂った父親が帰宅し、心愛さん暴力をふるい、死に至らしめたことは容易に想像できます。

児童虐待は保護責任者遺棄致死(懲役3年から20年)容疑で罰するのが基本だそうです。殺意に基づく通常の「殺人罪」は懲役30年以下です。親を信じ、かつ親の暴力に抵抗できない児童に対する虐待死のほうが「殺人罪」より罪が軽いというのは、理解に苦しむ。

殺人罪より重い罰を

「殺人罪」より、罰則を重くするのが当然でしょう。抵抗力が弱い子に暴力を振るい続ければ、死に至らしめる。児童虐待は体罰とか、しつけの延長と考えるのか、刑が軽い。むしろ逆に重くし、鬼でも泣きかねない残忍な場合は死刑にすることあってもよい。

ブログの読者から寄せられたコメントに「子が受けたのと同じ体罰を体験させ、苦しみを体験させる」、「子の親は悪魔。極刑に賛成」、「あれだけ虐待されたのに、親を信じて、すがろうとした姿は悲惨すぎる」などがありました。

もちろん親を重罪にしても、児童虐待はなくなりません。「児童相談所に強制力のある権限を持たせる」、「児童福祉司などを増やす」、「学校、児童相談所、自治体、警察など連携をよくする」、「経済的な困窮対策を講じる」なども必要です。

私が毎回、指摘するのは特別養子縁組の活用です。親が子を経済的理由などで養育できず、保護を必要とする子を養子として斡旋する制度です。政府(法制審議会)は、原則6歳未満としている対象年齢を15歳未満まで広げることしました。子供ができず、養子を欲しがっている人は少なくありません。

米国では年間12万件の縁組があるのに、日本はわずか500件です。宝塚の元トップスターが特別養子縁組で赤ちゃんを引き取り、「この子と出会い、一番幸せな日がきた。様々な家族の形があっていい。それが当たり前になってほしい」と、述べていました。養子縁組がもっと広まることを願っています。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2019年2月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

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中村 仁
ジャーナリスト、元読売新聞記者

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