プログラミング教育とデジタル教育改革

2019年02月06日 17:00

2020年プログラミング教育の必修化が間近にせまってきている。幼い頃から、プログラムを考え方として、論理構築の手法として、身に着けるべきものと衆議院議員時代に推奨してきた者として期待している。僕自身も、2018年1月~3月、約2か月にわたり沖縄市に泊まり込みで1日12時間勉強した「スタートアップカフェコザ・プログラミングスクール」(僕はプログラミングブートキャンプと呼んでいるが)の経験は価値あるものとなっている。内容に関しては、40回にわたる連載ブログ「元IT副大臣53歳のセカンドスクール」を参照して欲しい。

プログラミングによるロジカルシンキングを学校で学ぶことと、PCやタブレット、スマートフォン等のIT機器をツールとして使うこと、教材としてクライド教科書・教材を使うこととは異なる話である。プログラミング教育が始まったからといって教育行政・教育現場がIT化して効率的に業務が進むとは限らない。子供たちがデバイスを自由に使いこなせる環境が出来るわけでもない。ましてや最新の知見に更新されない紙の教科書を使い知識を教える授業が変わるわけでもない。デジタルによる教育環境の変革は3つが揃って有機的に結合し、機能する事によって成り立つのです。

衆議院議員時代、日本フィンランド友好議員連盟の事務局長として、フィンランドとの交流窓口を務めていた。ヘルシンキに訪問時、フィンランド教育大臣との政策対話を行い、フィンランドの教育に関する考え方や手法をつぶさに聞いたことを思い出す。子供たちにプログラミング教育が実施され、教科書はクラウド上にあり、宿題等の家庭学習の提出先はクラウドのBOX、デバイスは家にあるPC、学校にあるPC何でも構わない。教師はクラウドを通じて生徒の学習到達状況を掌握し、学校では躓いている部分を何故躓いたのか、解答を導く方法を伝えている。

学校は知識を得る場というより、プレゼンテーション、コミュニケーションの場であり、校長の役割は組織マネジメント。教師の役割は知識を教えるというより、知識の得方、考え方を伝えることだ。トータルな勉強時間が少ないのに教育の世界ランキングは常に上位。日本の教育環境との違いに驚かされた。当時、経済だけでなく、勉学においても生産性が低いということを認識させられた。

日本に戻り、先駆的な事例がないか探してみるとGoogle for Educationで奇跡的な進化を遂げた東京南麻布にある広尾学園(旧順心女子学園)があり、Googleと共に勉強会に来て頂いた。生徒が集まらない事による経営危機から立ち上がる教師陣。タブレット配布からPC(Google Chrome Book)配布への変更。授業スタイルの見直し。教師と生徒の意識改革。私学と言えども日本の国内法に縛られながらもここまで変わることが出来るのかと驚かされた。

私立だからなのか?公立学校でもチャレンジはあり、小金井市立の小学校でも変化をが生じている。現況の教育に関する国内法規、学内ルール等の根幹を見直す必要はあるが、今出来ることもある。今出来ることもやらず、中長期の変革も出来ない、いったい教育族の議員は何を見ているのだろうかと、当時IT族議員は嘆いたものだ。

プログラミング教育前夜である今、何が起こっているのか、Googleに今を学びに行った。Googleは「Google For Education」で教育改革をサポートしている。情報収集を前提としていないG Suite For Educationというクラウド環境を用意し、Chrome Bookという低価格なPCデバイス、Classroomという生徒と教師のオンラインクラスでの学習管理アプリケーション、その他、フォーム、スライド、ドキュメント、スプレッドシート等のアプリケーション。使いこなせば相当の力を発揮するが、わからない、出来ないとあきらめてしまう教育関係者もいる。生徒に学びを求めているなら、教育に関係している大人も新たな学びに取り組むべきだ

最近は、Chrome Book PC導入の実証実験に声がかかるようになったいう。学校現場の事例も少しづつ出来てきているという。しかし、僕から見れば、小学生に一人1台、6年間の導入を前提としない実証実験が何をもたらすのか疑問だ。担当者は言っていないが、Googleは本来、デジタルによる教育改革のトータルマネージメントサポートをやりたいと考えているのだろう。残念ながら、学校・教育委員会側の要請は部分だけの取り組みになっている。教育関係者向けセミナーやワークショップ、Googleオフィスツアー等もあるので、1度話を聞いてみる事をお勧めしたい。

「ITによる教育業務改善で生徒に向き合う時間を増やすことが出来る」と約半数の教師がアンケートに答えている。教育現場のブラック状況を改善し、一人1人の生徒に向き合う時間を増やすことは、教師にとっても子供にとっても望ましいはずだ。正にその為の手法がIT化・デジタル化です。人間が本来やるべき事、やらなくてはいけない事に人を配する為のIT社会なのです。

東大を目指す受験漫画「ドラゴン桜2」を読んでいたら「頑張らない」をキーワードにしていた。「全力、がむしゃら、必死」、具体性も合理性もないことで結果を出すことは出来ない。機能的に考えて話す、それが今の時代だと。正に、学びの生産性向上だ。

クラウドを前提とした、教育関連業務のデジタル化。WiFi環境の整備、WiFiが無いなら、格安SIMをボリュウームディスカウントで用意する。紙による教科書の無料配布を止め小学校入学時に一人1台のPC提供。こうした環境を前提とした教育手法の変革こそ、今、行うべきと思う。先ず、やってみよう!


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2019年2月6日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。

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福田 峰之
多摩大学客員教授、前内閣府副大臣、前衆議院議員

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