1人でも多くの患者さんが、1日も早く骨髄移植を受けられるようにするために

水泳の池江璃花子さんが白血病であることを発表されました。どれほどショックを受けておられることでしょう。治療に専念し、あの笑顔が戻ることを心から願っています。

池江璃花子さんインスタグラムより:編集部

白血病などの難治性血液疾患の治療には、骨髄移植をはじめとする造血幹細胞移植が有効です。

我が国では、日本骨髄バンクの呼びかけによって、平成29年 1月末現在のドナー登録者数は約47万人となっています。ただ、患者との適合率も96.4%であるにも関わらず、実際に移植に至るのは、54.4%にとどまっています。

この背景には、まず、ドナーが骨髄などの提供に必要な検査・入院等で休業した場合の金銭的な補填がないことや、勤務先や同僚の理解が得にくいことなどが挙げられます。

1人でも多くの患者さんが、1日でも早く、骨髄移植をはじめとする造血幹細胞移植を受けられるようにするためには、ドナー登録をしていただける人を増やすと同時に、ドナーが安心して骨髄などを提供できる仕組みを作ることが必要です。

国民民主党は、2016年11月、白血病により35歳の若さで亡くなった元名古屋市議会議員、日比建太郎さんの思いをもとに作られた総合的な対策(通称「日比プラン」)を受け継ぎ、骨髄バンクへのドナー登録を推進するための各種取り組みに力を入れています。

この「日比プラン」に賛同してくれた全国の仲間の自治体議員の協力もあり、昨年平成29年1月15日現在、205市区町村、1民間団体で何らかの助成が行われるようになりました。

しかし、もう一つ、マッチングが進まない理由としてあげられるのが、登録者と連絡が取れないことです。登録者47万人のうち、なんと6万人が住所不明を理由にドナー候補対象から除外されています。大学、就職、転勤、結婚などで住所も変わり、自宅の電話番号も変わるからです。

実際、日比健太郎さんにも4人のドナーがいましたがマッチングに至りませんでした。

このドナー登録者に連絡が取れないという問題を解決するために私たちが提案したいのが、多くの若者が使っているSNSを活用することです。

総務省の統計によれば20代の利用時間は、電話が7分、SNSは61分。若い世代は、電話やウェブではなく、SNSを使っています。しかし、現在、ドナーとの日程調整などの連絡は、若者が使うSNSではなく、手紙や電話に限定されています。これではコーディネート時間の短縮は出来ません。

そこで、骨髄バンクのSNSにプログラムを組み込み、ドナー候補選出通知と同時に、市区町村ごとの助成制度などをプッシュ配信で案内するようにすれば、マッチング確率が確実に向上するとともに、移植の実現も一層進むと考えます。党派を超えて、実現を呼びかけたいと思います。

他にも、「ドナー休暇制度」の推進など、ドナーの皆さんが安心して登録、提供できる環境の整備に引き続き取り組んでまいります。

改めて、池江璃花子さんが、元気に回復されることを心から祈っています。


編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2019年2月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。