文科省は授業づくりを完全にばかにしている

2019年02月24日 06:00

プログラミング学習が始まるけれど・・・

2020年から小学校でプログラミング学習が始まります。これにいろいろな企業の思惑が加わって、街中にはプログラミング塾の宣伝があふれています。近年は、英語が授業に加わりました。ただし、他の教科の削減をしないことから、授業時数はさらに増え、プログラミングが始まると7時間授業という事態も想定されるようです。


教員はだいたいおそくても朝8時にはこなくてはならないのですが、実際の勤務開始時間は8時30分くらいが多いです。ではなぜ勤務時間前にくるかというと、子供が教室に入室するのが8時なのでやむを得ず8時前に出勤するわけです。そして6時間目の授業が終わって子供が帰るのが4時ちかく。休憩はもちろんないので、この時点で労働時間は8時間です。それはいい。それくらい働いている人はたくさんいるから。

けれども、これで授業の準備はいつやるのでしょう。もちろん、勤務時間外です。教員は残業代はつかないので、サービス残業となります。ここで、文科省や教委がいう理屈は、やはり独創的です。それは「子供のためだ」と。

なぜ彼らはサービス残業をするのか

サービス残業を「子供のためにできないのか」と言ってくるのです。こう言われては反論できる教員はまずいません。たしかに準備をしなければ、今どきの子供がおとなしく座ってくれているような授業はできません。ただ、よくよく考えると「プレゼンの準備時間はサービス残業だよ」で通る組織などあるのでしょうか。たしかに、日本にはたくさんあるんでしょうね。ブラック企業と呼ばれてるんでしょうけど。

授業準備をはじめ、会議の準備時間も研究授業の準備時間も、成績処理、年間指導計画、集金業務、生活指導、保護者対応、地域行事参加ももちろんサービス残業です。つまり、文科省や教委が言うには、実際の授業の時間、会議の時間以外は、「それは仕事の時間ではないのだから、サービス残業でなんとかしろ」ということになります。

わたしはよくよく管理職に文句を言っていたので、教委に呼び出しを食らったこともありました。人事課とのやり取りはこんな感じでした。担当課長というけれど、えらいのかえらくないのかよくわかりませんでしたが。

「お前はなんで残業しないんだ。」
「いや、正規の授業時間だけを勤務時間にカウントするのはやっぱり無理があるんじゃないですか?」
「授業準備は子供のためだろう。子供がかわいくないのか」
「そりゃかわいいですけど、それでサービス残業を強要するのはおかしいんじゃないですか。K市の判断なんですか」
「何言ってるんだ、おまえはK市をばかにする気か」
「ばかになんてしてませんよ。サービス残業はおかしいと言っているだけです」
「つべこべ言わずにやれよぉ・・・教委のおれらもサービス残業なんだよぉぉぉぉ・・・」

という不毛なやり取りも今となってはよき思い出です。

授業の品質が劣化していることをまったく気にしない文科省

こんなかんじで世間の批判をかわすことだけを考えた文科省と教委は、無責任に授業時間だけを増やしつづけて、ひじょうに劣化した授業を子供たちに受けさせています。そして現場では、その劣化した授業でも子供たちを静かに座らせておける教員が、「優秀な教員」としてあがめられ、表彰までされています。

それにこれはなにより子供たちにとってとても不幸な状況なのです。文科省や教委は、夕方には劣化して疲れた教員が子供たちの危険を見逃してしまうことをまったく考慮してません。長時間学校に拘束されるストレスから子供たちがいじめに走る可能性があることもまったく想像してません。

被害者は子供たち。さあ、ますます劣化した日本の教育は、どこへ向かっていくのでしょうね。

中沢 良平

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