はやぶさ2着陸成功:これからの国力・技術発展のためにも意義がある

2019年02月27日 16:00

先週22日の金曜日、JAXAが打ち上げた小惑星探査機『はやぶさ2』が小惑星『リュウグウ』に着陸したニュースが大きく報じられていました。宇宙工学の技術者を初めとして、このプロジェクトに関わってきた多くの人々が管制室で抱き合って歓喜の声を上げている姿を見て、「すごいことなんだなぁ」と私も実感しました。

打ち上げた衛星が宇宙で活躍している事が、とても凄い事だと言う事は私でもわかります。しかし、それ以上に何が凄いかとなると難しく、私にもさっぱりわかりません。

『地球から『リュウグウ』までは3億km離れている』。これを聞いても私には実感が湧かず、『地球と現地にいる『はやぶさ』との通信時間は片道で20分かかる。』と例を出されても、全然理解できません・・・・。

小惑星『リュウグウ』の大きさがどの程度かと言うと、直径で900mほどです。全速力で走ると2分半ぐらいの距離ですかね。このぐらいになるとなんとなくわかるような気がしますが、いずれにしてもゴツゴツした小惑星のわずか6mのポイントに着陸をし、さらには砂や石を採取して地球に持って帰る『はやぶさ2』、これは凄い事だとわかりました。

テレビなどで登場したあの管制室は、神奈川県相模原市にあるJAXAの施設です。私はその施設を9年前に訪ね、JAXAの的川 泰宣名誉教授と対談をさせていただきました。的川名誉教授と対談をさせていただいたのは平成22年6月です。ちょうど『はやぶさ」の1号機が小惑星『イトカワ』から微粒子を持ち帰って日本中が沸き立っていた直後のことでした。

的川名誉教授の話の中で、今でも鮮明に覚えている事があります。それは『はやぶさの成功は程々貧乏だったから』という一言でした。『程々の貧乏がチーム力を高め、そして知恵を出すことに繋がった』という事でした。また、当時の『はやぶさ』に掛けられた予算は130億円で、アメリカ人からは『アメリカがやっていたら500億円は掛かっていただろう」と言われた事を的川名誉教授が話してくださいました。アメリカはその予算で、様々な専門会社に依頼をするけれども、日本は予算がなかったから、みんなで集まり、チームの中で知恵を出し合い、出し合った知恵が技術になっり、さらには、技術に精通した人たちでチームを組んでいたから、トラブルにも対応できたので無事に成功したそうです。

いずれにしても、数百億円のお金を使ってどのような成果があるのかと言えば、今回の『はやぶさ2』では、生命の起源の解明に繋がると報じられていました。これは確かに夢とロマンがあります。

それは生命科学や人類学に大きな影響があると思いますが、実はそれだけではなく、宇宙技術の応用は我々の身近なところに幾つもあります。例えば我々が使っているカーナビやスマホの地図情報に用いられる位置情報は、GPS衛星によるものです、以前よりも格段に精度が高くなった天気予報、これは気象衛星によるものです。こうした直接的な利用だけではなく、宇宙開発には副産物もあります。

昨今では電気自動車の台数が増えてますよね。電気自動車に使え荒れている蓄電池はアポロ宇宙船の予備電源の応用だそうで、ゴルフ場カートや福祉で使われている電動車椅子にも応用されています。またエアバックや水の浄化装置これらもNASAの技術です。

宇宙開発というのは未知の世界へのチャレンジです。
日本が国として技術・国力を高めていく上でも、やる意義があると思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年2月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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