健診改革は待ったなし!見過ごされる経過観察リスク

鈴木 隼人

国会で質疑に立ちました。
私が質したのは健診改革についてです。

健康診断を受け、軽度の異常が発見された場合、結果報告書には「経過観察」と書かれ、お医者さんにみてもらうことを勧められます。そこでお医者さんのところに行くと、十中八九「現時点で問題があるわけではないので、しばらく様子をみましょう」と言われます。

一連のプロセスはこれで終わります。
しかし、ここに落とし穴があります。

健診関係者にとってはこれで終わりかもしれませんが、本人の病気進行プロセスは終わっていません。
「経過観察」ということは既に異常が始まっていることを意味しています。

ですから、体質改善や生活習慣の改善にきちんと取り組まないと、数年、ないしは数十年かけてステルス的に異常は進行し、大きな病気に罹患するリスクが高いわけです。

にもかかわらず、健診を受けた本人は「経過観察としか書いてないし、様子をみましょうって言われただけだから、大した事ないんでしょ」と思ってしまう。将来に大きなリスクを抱えている事態を正確に認識できないんです。

写真AC:編集部

そうやって、ものすごく多くの人が知らず知らずと生活習慣病を悪化させているのです。それが健診の実態であり、生活習慣病罹患者が積み上がる歴史の背景です。

本来であれば、「軽度の異常が発見されました。この異常を放置すると将来こんな病気になる危険性が高いです。その病気になるとこんなひどい生活が待っていますよ。だから日々の生活の中で絶対にこれとこれは守って下さい。じゃないと本当にどうなっても知りませんよ」くらいのことは伝えなきゃいけないんです。

だけど、「健診事業者がコスト増を嫌がるから」「医療関係者がダメって言うから」などと責任を押し付け合うばかりで健診改革は進んでいません。

この問題に、官・民・医・政、関係者をあげて取り組んでいかなければならない。
今回の国会討議では、そのことを指摘させていただきました。


編集部より:この記事は、衆議院議員、鈴木隼人氏(自由民主党、東京10区)のブログ 2019年2月26日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鈴木氏のblogをご覧ください。