日本製品の輸出ビジネス再チャレンジ

2019年03月03日 14:00

写真AC:編集部

「そんなビジネスまでやっていたのか」と言われそうですが、私どもの会社ではカナダで日本書籍、教科書販売を手掛ける会社を2年半近く支援してきています。縁があり、今年から私がその会社の社長に就任しました。

昨年、同社を通じてトロントにある日本語教材のディストリビューターを買収して大学向け日本語教材の販売展開を強化しています。それに合わせ、私の日本の会社に輸出入部門を設け、日本の出版社から直で仕入れ、ある運送会社と提携し、出版社から運送会社経由、自動でカナダの指定の倉庫まで運送する流れを作っています。

大学向け教科書は価格が張る上に数が出るのですが、当地の大学生からは「教科書代が高すぎる」とクレームが多いと聞いています。そのため、大学購買部には少しでも安く提供するため、最小のコストでお届けする努力をしています。ある日本の出版社の社長に「私はアマゾン価格をビートする」と言ったら「素人のお前に何が分る」と言わんばかりに笑われたのですが、アマゾンにはできない小回りという死角があることに気が付きました。

こんな中、社長になってしまったからにはもう少し業績を伸ばす方法を考えなくてはいけません。実はこの会社はトロントにリテール部門もあり、ここをうまく使いながら非書籍部門の開拓を考えています。

既に非書籍の商品はだいぶ並んでいるのですが、マーチャンダイジングは満天の星空からきらりと光るあの星をつかむようなビジネスです。海外で売れそうなものの察しはなんとなくついています。それはデカいマーケットを狙わず、特定のニッチマーケットを攻めていく、ということかと思います。

日経にへぇ、と思わせる記事が出ています。「米アマゾンでの出店支援 東京海上など中小向け」とあります。タイトルを見ただけでは何だかわからないのですが、かいつまんで言うと次のようになります。アメリカでの販売強化をしたい日本の中小物販会社は輸出のために地銀から融資や助言を受ける、そのうえで東京海上日動が保険だけではなく、物流などを支援、商品をアメリカのアマゾンに乗せ、消費者に販売するというものです。

要はアメリカのアマゾンに日本っぽい商品がずらりと並ぶことを支援する、というものだと思います。

なるほど。しかし、個人的にはそんなにおいしい話には見えないのです。理由は地銀やら東京海上日動など大企業が介在することでコストがそれなりに上乗せになるからです。私が教科書でアマゾンをビートすると言っているのは中間業者が極端に少なく、マーケティング費用も人件費もかけず、売れ残りがないからです。もちろんマーケティングはしますが、費用をかけないマーケティングをするのです。ヒトの介在も極端に減らします。

当地に無印良品やユニクロがあります。価格は日本に比べて残念ながら結構高い気がします。それは商品の売れ残りロスが大きいからで、海外の単店舗だと店舗間融通も返品もできません。つまり、ほぼ買取ビジネスのリスク見合いの価格になるのでしょう。

そんな中、中国のミンソウという会社が日本風雑貨店を展開、ダイソーと無印良品の中間ぐらいの価格帯の雑貨を扱い、一気に店舗数を増やしました。バンクーバーでも無印からわずかのところにそれに対抗するように店舗を出しました。商品は見るに堪えないものが多いのですが、なぜか店は混んでいるのです。価格帯なのでしょう。リアル日本製品は高い、というイメージを再度植え付けてしまいました。

しかし、日本で買えば安いのに海外で買えば高いのは流通コストと在庫リスクの管理でだいぶ改善できるとみています。幸いにしてこのパクり会社ミンソウは登録商法などの問題を抱え12月に倒産の瀬戸際まで追い込まれ既存店はかろうじてビジネスを続けるということになったようです。

海外で日本の商品を売るというのは極めて難しいのですが、知恵を出しながらそれを乗り越え、海外にも高品質でリーズナブルな価格の商品をもっと送り出せるよう知恵を出していきたいものです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年3月3日の記事より転載させていただきました。

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