今週のつぶやき 世界景気・北朝鮮制裁逃れ・カナダ政権余命

ゴーン氏が保釈された時の姿、ツナギに作業帽、マスク姿の男たちに紛れるという弁護士の小細工にはぁ?と思った人は案外、多かったのではないでしょうか?これだけ注目を集める人の居住地を隠すというのは物理的に無理なのは分かっているはずです。外出も出廷することもしばしばあるわけで浅はか。この奇妙な姿の写真は世界の新聞にでかでかと掲載されたようです。もちろん、当地のローカル新聞にも。あぁ、日本っておもろいことするなと、また印象付けました。

さて今週のつぶやきです。

景気は下向き、いや、維持できる?

日本の株価をみると「おいおい」という感じでしょうか?金曜日は4日連続安で430円安となり、短期的には突っ込み過ぎに見えます。

本日アメリカで発表された2月の雇用統計も事前予想の18万人に対して僅か2万人増にとどまり、衝撃が走りました。ただ、以前から指摘しているように2月は年末セールの反動で悪い上に今年は天気が酷かったことや政府機関の閉鎖があります。雇用統計の中身は失業率、労働参加率、賃金共に全く悪くありません。これはあまりシリアスに捉えなくて大丈夫だと思います。

NHK WORLD Newsより:編集部

では日本ですが、1月の景気動向指数が3カ月連続下落で足踏みから下落になったのではないか、という点に関し、菅官房長官が中国の春節で輸出が手控えられた要因が入っていないのでは、と発言しています。どうしても景気が下向きなってほしくない政権の意図が見えます。統計の数字はどの角度からどう捉えるかで何色にも変えることができます。菅官房長官にしてはちょっと素人臭い説明だったと思います。

私は以前このブログで指摘したように世界的な景気は昨年10月頃から変調していると考えています。ただ、どれぐらい下押しするのかは何とも言えません。FRBが利上げ停止をしましたし、欧州中央銀行も方針を変えています。ここカナダの中央銀行も利上げはフリーズとなっています。中国では巨額の景気刺激策が発表されています。あとはトランプ大統領が習近平国家主席となしをつけることです。これが絶対条件です。トランプ氏は自分で蒔いた種ですから必ず放置せずに片付けて頂きたく思います。そうすれば案外、景気は持つのかもしれません。

北朝鮮に厳しい制裁を

世の中に良い人、悪い人がいるように国家にも良い国、悪い国はあります。その中で北朝鮮とベネズエラはタチの悪さでは横綱級の国家でしょう。反社会的国家そのもの、平たくいえばヤクザ国家です。北朝鮮もベネズエラも国家を牛耳っているのは一部の人間。そして軍部を押さえていることから悪さができるようになっています。軍が寝返りを打つと革命や内乱となりますが、タイのように軍事政権下でも平常の経済活動が行われることもあります。

日経に「北朝鮮、仮想通貨5億ドル超奪う 国連報告独自入手」と報じられています。17-18年にかけて555億円分もの仮想通貨を政権の任務としてサイバー攻撃で奪い取ったとしています。その中にはコインチェックの流出分も入っていると報じられています。

同国は組織的瀬取りはするわ、ロケット施設の復旧を急ぐなど、もはや「いい奴だ」などと馬鹿なことを言っている状態ではなく、無茶苦茶やり放題になっています。トランプ大統領も朝鮮人のメンタルが自分の常識とは違うことをようやく認識したのではないでしょうか?再会談などトランプ氏はもう受けないでしょう。習近平氏も核をあきらめろと金正恩氏に通告しています。それが出来ないなら政権を潰すしかないんじゃないでしょうか?許しがたい蛮行の数々です。

カナダ トルドー政権の余命

個人的にはトルドー氏が首相になった時から期待度ゼロでした。この中道左派政権のリーダーは親の七光りで首相になったものの私から見ればカナダ人もずいぶんミーハーだな、と感じました。実際、首相になってから大した功績はない一方で世間から批判を受ける問題はいくつも犯してきました。

カナダのジャスティン・トルドー首相(Wikipediaより:編集部)

総選挙を秋に控える中、今回はトルドー首相がとんだ疑惑の渦中に巻き込まれ、これで政権交代は確定かな、と感じています。SNCラバリンという大手エンジニアリング建設会社がカダフィ政権のリビアに約30億円相当の賄賂を10年間にわたり渡していたことが発覚、この会社に対する捜査、司法手続きに首相府が関与し、閣僚に圧力をかけたという疑惑で連日盛り上がっています。既に閣僚から2名辞任しており、首相は対応に追われています。

事実関係は分かりませんが、何もなければこれほどの騒ぎにならないでしょう。SNCラバリン社を救いたいから、という意向がどこかに働いたとすればトルドー氏も9000人の従業員がいるこの会社も厳しいと思います。ただ、世論調査ではトルドー氏率いる自由党が34%、中道右派の保守党が36%と政権交代を示唆する状況になっているものの、保守党が伸びないのは党首の実力とも言われています。隣国のアメリカに比べ何をやっても小粒ぞろいというのはカナダの宿命でしょうか?

後記

久々に小池都知事に焦点が当たっています。もともとは築地市場跡地の問題でしたが、いつの間にか自民党の二階幹事長との蜜月ぶりに話題が移っています。二階氏は来年の選挙で小池氏擁立を表明、自民都連は反発して刺客探し、と報じられています。個人的には二階氏も80歳、何を目指すのか、目的論がすり替わっていており、この個人プレーはどうかと思います。こちらも1年かけて盛り上がってくるのでしょう。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年3月9日の記事より転載させていただきました。