今週のつぶやき 株式市場・ボーイング機・JOC会長

ピエール瀧氏の薬物使用逮捕事件は相当衝撃的だったようですが、これはこの業界においてほんの序章という報道もあります。芸能人がなぜ薬物にハマるのでしょうか?パフォーマンスのクオリティアップ、撮影などで長時間拘束に対する自己コントロール、その反動のストレス解消などが理由なのかもしれません。スポーツ選手のドーピングもそうですが、微妙な精神力とのバランスなのでしょう。でも私はレッドブルにとどめておきます。

さて今週のつぶやきです。

読めない株式市場

東京市場は週間としては上昇していますが、おおむね三角もちあいのチャートに見えます。ここで動きが拮抗した後どちらかに大きく動き出すというのが通常の流れです。専門家は日本市場がなんとなく上がっていることに懐疑的な見方があるのですが、どうなるのでしょうか?

北米市場も方向感がなくなってきています。経済統計はあまり芳しくないものが多い中、次の一手がどこにあるのか、国民や企業を熱中させる何かが見つからない、そんな感じがします。

2019年3月15日、全人代の閉幕式(中国政府公式サイトより:編集部)

今週、中国の全人代が終わりました。印象としては米中貿易協定は死に物狂いでまとめてくるとみています。同じ思いはトランプ大統領もそうです。米朝首脳会談が失敗に終わり、金正恩委員長が蛮行に走り始めた今、中国との関係改善は最大の優先順位でしょう。政治的決着を予想しています。

仮に数週間以内にまとまればこの持ち合いは上に抜けてくるとみています。

ボーイング社だけではない世の苦悩

米ボーイング新型旅客機「737MAX8」が全世界で運航を見合わせています。というより客も乗務員も乗りたくないでしょう。私だってタダでも乗りません。トランプ大統領が「飛行機は複雑になり過ぎている」とツィッターしているのですが、これはある意味、とても重要なポイントをついていると思います。

ボーイング737MAX(Wikipediaより:編集部)

飛行機に限らず企業は顧客やパブリックとの関係、監督官庁の保守的締め付け、自社内でのガバナンスを含め、極めて複雑な社会を生み出しています。飛行機の管理はその好例でしょう。その結果が飛行機を作る管理工程でバグを見つけられなかったということかと思います。同じ飛行機でも日本でパイロットの飲酒が問題視されましたが、人事管理で問題を発見できなかったのとまったく同じです。

企業の不正や偽装もそうなのですが、世の中がとにかく複雑になりすぎて人間の能力を超えてきている気がします。そういえばフェイスブックから大幹部の2人が辞任しました。ザッカーバーグ氏にとっては痛手だったと思いますが、この数年、同社は守りの経営、それでも問題は次々に起きたことに「もう勘弁してよ」というのが辞めた2人の心境ではなかったでしょうか?

当然お辞めになりますよね、JOC 竹田恒和会長?

なぜ日本オリンピック委員会の委員長を10期17年半もやってきたのか、これが最大の疑問であります。今回、同氏をめぐる問題は東京オリンピック誘致の際にわいろと見られる資金があったのではないか、とフランスで調査が始まっていることが発端でした。この結果、竹田会長は海外に出られなくなります。理由はファーウェイのCFOがバンクーバーで捕まったのと同じ理由だからであります。

NHKニュースより:編集部

私はこの問題が発覚した時、竹田会長の脇の甘さを指摘しました。訳の分からないところに契約書も読まずに大金を払うという姿勢が10期もやった会長の顛末だったのか、と思っています。

普通、この手の長はせいぜい留任しても2-3期がいいところです。つまり、4-6年程度。10期というのはどう考えてもおかしいと日本のスポーツ界も文科省も思わなかったのでしょうか?他の人材育成を考えず、「彼を超える適任者はいない」と思いつづけたのは役員や周りが楽ちんを享受しようと思っていただけでしょう。

おかしいですよね?ならば安倍首相の4選を唱える二階幹事長もおかしいということになりますね。

後記

ニュージーランドでオーストラリア人がテロをして49人も死者を出したと報じられています。テロだけでも困るのに自国民ではない人が大量殺人を犯すのではニュージーランドもやりきれない気持ちでしょう。英国がEU離脱を主張するのも広義では同じ延長線です。グローバル社会は人や情報の行き来が自由になった半面、暗い影を落とす部分もあります。これが世の保守派台頭の背景でありましょうか?我々は何か迷路に入り込みつつあるのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

いよいよカナダも春めいてきました。日本は桜前線も近づいていることでしょう。初春の柔らかい日差しをお楽しみください。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年3月16日の記事より転載させていただきました。