伊藤ゆうは都議会の「鈴木みのる」だったという話

宇佐美 典也

ども宇佐美です。
3月15日にアベマプライムにおいて、かねてから希望していた伊藤ゆう都議との公開討論会をさせていただいたので、討論会終えての感想をまとめておきたいと思います。

AmebaPrimeより:編集部

混迷の都議会…”築地・豊州問題”宇佐美典也が都民ファースト議員に物申す!(19/03/15)

・結論から言えば、私は伊藤ゆう都議について「この人は都議会に必要な人材だ」と強く感じた。

・これまで再三述べてきたように私は伊藤都議のしてきたことや主張について批判的な立場である。当日の討論でもバチバチと伊藤都議を批判(半ば罵倒)させていただいた。

・驚いたのはそうした批判を伊藤都議が受け流したり無視したりするのではなく、その全てを受け止めてきちんと主張を返してきたことだ。伊藤都議はちゃんと私と「言葉のプロレス」をしてくれた。

・私は元官僚ということもあり政策に合理性を求めるので、私から見れば彼の主張はポピュリズム的で最も受け入れがたいものであるが、しかしながら伊藤都議は伊藤都議で確信犯的にポピュリズムに徹している。そこに一切のブレはない。

・伊藤都議は若い頃から政治家を職業としてきたが故に、おそらく理想とは異なる政治の現実を数多く見て、さまざまな葛藤を経て、ある種の悟りを得て今のスタンスに辿り着いたのではないかと思う。

・外から見れば強引な議会運営や、市場問題に対する主張も、政治の現場で長く戦ってきたものとして、全ての矛盾を抱え込んだ上で覚悟して実行しているのだろうと思う。つまりあえて「ヒール」の役割を引き受けて戦っているのだろう。

・その姿は「世界一性格の悪い男」と呼ばれながらもプロレス界最狂のヒールとして活躍する「鈴木みのる」を思わせた。詳しくは語らないが鈴木みのるは徹底的に悪役を演じるが、彼がいるからこそベビーフェイス(善玉)の側の力が引き出され、磨かれ、光る。伊藤ゆう都議にとっては不本意かもしれないが、私にとっては彼はそういう存在に映った。(鈴木みのるが知りたい方は以下の動画を見て欲しい)

・そんなわけで私は伊藤ゆう都議のファンになってしまった。彼にはこのまま徹底的にヒール、悪役を勤め上げて欲しい。逆説的だが、実際今の都議会には彼のような反則すれすれの荒技を使うような存在がいなければ議事が進まないのもまた事実なのだろう。

・だからと言って私は彼の主張を受け入れることはとてもできないので、都議会でヒールとして大暴れする伊藤ゆう都議を打ち倒すようなベビーフェイスのスターが誕生することを切望したいところである。


ではでは今回はこの辺で。

宇佐美 典也   作家、エネルギーコンサルタント、アゴラ研究所フェロー
1981年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、経済産業省に入省。2012年9月に退職後は再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開する傍ら、執筆活動中。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、』『逃げられない世代 ――日本型「先送り」システムの限界』 (新潮新書)など。

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