「望月問題」の本質は“犯罪的”な記者クラブ制度

2019年03月18日 06:00

首相官邸が東京新聞・望月衣塑子記者の質問を「事実誤認」などと指摘し、官邸の記者クラブ「内閣記者会」に対応を申し入れたのは「知る権利」を狭める行為だとして、日本新聞労働組合連合(新聞労連)などで作る日本マスコミ文化情報労組会議は14日夜、首相官邸前で抗議集会を開いた。

はっきり言って噴飯ものです。

個人的に望月記者は毀誉褒貶があるにしても評価しているし、こういう人が時代を変えると思って応援をしています。

ですが、この問題の本質は菅長官のゴリ押しよりも記者クラブという制度の問題です。

記者クラブというのは、国民の付託を受けたわけでもなく、法的な根拠があるわけでもなく、一方的にその他の媒体やフリーランスのジャーナリストを官庁などの会見やその他取材機会から排除して、取材機会を独占、密室化して当局と癒着してきました。

やっていることはヤクザが飲食店からみかじめ料取ったりすることと同じです。

一体何の権利があって、国民や報道関係社の代表を詐称しているのでしょうか。共産独裁国家の政権のいうプロレタリアート独裁と同じです。

はたまたアパルトヘイトと同じです。

民主国家とは言えません。

こういう記者クラブが、組織暴力やら共産独裁国家、アパルトヘイトを批判しているんですから噴飯ものです。

率直に申し上げて、記者クラブは権力を監視する番犬ではなく、国民の知る権利から権力をも守る権力側の番犬でした。ですから権力側が嫌がる質問をしませんぼくが外国メディアの代表として防衛省会見で大臣が嫌がる質問をしたらNHKキャップの鈴木徹也記者がそういう質問するなと、恫喝しましたがまさに「番犬」の面目躍如です。

菅長官にしてみたら「番犬」から手を噛まれたようなものです。怒るのは当然でしょう。

それを新聞労連たちは自分たちが権力を監視する番犬であるかのように演出して、臭い小芝居をしたみせたわけです。国民を愚弄するにも程があります。

委員長の南氏はぼくに労連はクラブの開放の声明を出しているし、会員にフリーランスもいると反論しました。ですが、いったいどんな活動をおこなったか?そんな声明なんてケツふき紙ほどの役にも立っていません。フリーランスが加盟云々ならアパルトヘイト時代の南ア国防軍にだって黒人の志願兵がいましたよ。

なにより、同じ時期、昨年末に防衛記者クラブが了承したフリーランスの防衛省記者会見を防衛省が手続きを理由に無期限に引き伸ばしていることに関してはだんまりです。何おやいわん、です

そして首相官邸前で記者クラブ代表の佐賀年之さんがフリーランスの取材を「妨害します」と宣言しました。
これが記者クラブの本性です。


記者クラブが独占しているのは記者会見だけではありません。各種のレクチャー、勉強会、視察旅行、交流会なども、です防衛省の場合、記者会見は記者クラブの主催ですから百歩譲って、彼らの管理下でしょう。それ以外は防衛省の管理下のマターです。ところが何の法的な根拠もなく防衛省はその他媒体、フリーランスのジャーナリストをこれらの取材機会から排除して、記者クラブなる一任意団体にのみ利益供与を行っています。

これはある意味犯罪行為である可能性すらあります。

まともな民主国家では到底ありえない話です。

■本日の市ヶ谷の噂■
海自が新たに採用する千トンクラスの警備艦はコスト削減のため商船構造を採用との噂。

Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
軽装甲機動車をAPCとして運用する陸自の見識

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
コマツが装甲車輌から引かざるを得ない理由 防衛装備庁、陸幕ともに認識は甘かった


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2019年3月16日の記事を転載させていただきました(タイトル改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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