佳子様が眞子様の結婚をついに語られた

八幡 和郎

秋篠宮家の佳子さまは大学卒業にあたり、宮内記者会の質問に文書で回答したが、そのなかで、姉・眞子さまと小室圭さんとの結婚についての質問などに以下のように答えられた。

NHKニュースより:編集部

結婚の時期については、遅過ぎずできれば良いと考えております。理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません。

姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています。

また、姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています。今回の件を通して、情報があふれる社会においてしっかりと考えることの大切さを改めて感じています。

出典:NHKニュース『佳子さま 大学卒業にあたって(回答全文)

私はかねがね書いているように、眞子さまと小室氏の結婚は好ましくないと考えている。また、いったん裁可は取り消して、新しい問題として仕切り直すべきだと思う。ただ、これも、これまでも書いているように、経済的な問題などが整わないとか、その他の問題で、皇族がどうしても結婚したいというなら、皇室会議の議決がいる男性皇族も含めて、認めることは考えて良いと思う。

それは、離婚についてもそうで、皇族であれ、皇族から離脱した女性であれ、そういう事態も含めて予想して制度整備をすべきだと思う。オランダでは結婚を認めるが、王位継承権は剥奪するとか、王族から追放するとかいう選択もある。また、細かい条件がついたこともある。

たとえば、現国王の弟の故フリーゾ皇太子は王位継承権を放棄したし、現王妃はアルゼンチン元閣僚だった父の結婚式や戴冠式への出席を拒絶し父の政治的立場を支持しないことを条件とされた。日本もそういう制度が合理的なのではないか。

また、結婚に際して与えられる1億数千万円の一時金は、皇族出身の女性としての体面を保つために与えられるものであるし、また、困窮したときの蓄えでもある。ところが、小室氏の場合は、さしあたっての生活費、親や本人の浪費、借金の返済などに充てられるのでないかと懸念がある。そうであれば、年金のようなかたちでの支給に置き換えるとか、辞退といったこともあってよい。

宮内庁サイトより

どちらにしても、現在の皇族の結婚がある程度の経済力がある相手を前提にしている以上は、いったん、白紙にして、制度の整備など先にした方が良いというのが私の意見だ。

また、皇族女性は皇族身分を失うといっても、現実に黒田清子さんがになっておられるような準公務をこれまでも担ってきた。そのあたりも問題になるだろう。

いわゆる女性宮家については、眞子様と小室氏の結婚の約束を機に心配されていた問題が現実化して下火になっているが、公務の担い手という観点からも、皇位継承ということのためにもなにか考える必要がある。その場合に、なによりこの問題を混迷させてきたのは、君側の奸のせいかどうか知らぬが、今上陛下の子孫に限定しようという動きの存在だった。

なにしろ、今上陛下の孫は男子1人と女子3人。たとえ、女系子孫も認めるとしても、はたして数世代後に確実に皇統継承者が十分な数いるか疑わしい。男系論、女系論のいずれをとるにしても、今上陛下の子孫に限らないということは、皇統維持の見地からも必要だし、また、理屈の上でもなぜ特定の時代の天皇の子孫に限るのか、説明できないのである。

なお、皇族の発言については、政治になにがしかでも関するものでなく、道徳的問題とか商業利用などの可能性がなければとくに規制する必要はない。ただ、すべての個人にとってそうであるように、発言には責任を伴う。コストもはらうはめになるかもしれないし、自由を謳歌したければ、批判されることもまた仕方ない。

しばしば、ヨーロッパのように開かれた皇室でありたいというなら、批判されたりパパラッチの標的にされることもまたヨーロッパ基準であるべきことは当然のことである。それを分かっての発言ならこのくらいはいいと思う。

(参考)大学卒業に当たり、秋篠宮家の次女佳子さまが宮内記者会の質問に対して回答された文書の全文(読売新聞オンライン)