あなたの、小さな才能や、ちょっとした技術を教えて下さい

2019年03月26日 06:00

Photos by K.Bito

会社や組織に頼って生きていくのが難しい時代になった。これからは、自分で自分を売り込み、舞台の上に立てる人間だけが成功をつかみ取ることができる。いつまでも観客のままでいるのはやめて、あなたも舞台の上でスポットライトを浴びてみないか。

今回は、『劇場化社会 ~誰もが主役になれる時代で頭角を現す方法~』(きずな出版)を紹介したい。著者は櫻井秀勲さん、御年88歳。遠藤周作、川端康成、三島由紀夫、松本清張など歴史に名を残す作家と親交があった。また、世界最高齢のベンチャー起業家としてギネスに紹介されたこともある。著作は200冊を超える。

■ちょっとした才能に気づいてみよう

あなたはどんな才能があるのか。もしかすると、自分には何の能力もないと思ってはいないだろうか。能力というものを、輝くような特別な才能と思ってはいないか。

「私たち大人は、子どもと勝負しても、必ず勝てると思っているでしょうが、そんなことはありません。子どもの能力に敵わないものもあるのです。たとえば鶴を折ってみましょう。大きな色紙で折れば、おそらく誰でも折れるでしょう。ところが小さい鶴を折ろうとしたら、子どもの小さい手で折ったほうが、きれいに折れるはずです」(櫻井さん)

情報を発信する社会では自ら脚本を書き、自ら監督し、自ら演じることが大切である。つまらなそうな才能でも、いま時代は非常に目立つことがあると櫻井さんは指摘する。

「近頃は高速道路上で、あおり運転-をして、相手車輌に事故を起こさせる悪質ドライバーが出てきました。これは自分に特別な運転技能が備わっていると錯覚している例ですが、こういった技術をよい方向に向ければ、たちまち舞台で主役になれるのです。大分前になりますが、あるとき私は、顔見知りの警視庁刑事から『面白い実験をするので立ち会ってみませんか?』というお誘いを受けました」(同)

「そこには1人の中年男の話を聞こうと、庁内の職員が何人かいましたが、何とスリの実験だったのです。その中年男はスリの名人で、逮捕されたのをきっかけに足を洗い、いま全国を講演して歩いているというのです。私はそこでモデルにされ、すれ違う通行人になったのですが、一瞬で私の内ポケットから財布がなくなっていたのです」(同)

意外にこういう技能、技術の持ち主はいるものだ。また、これは、自分の「特殊技能」をよい方向に向けた好例ともいえるだろう。

■ちょっとした特技がブランドになる

2018年の夏に、山口県で2歳の藤本理稀ちゃんが迷子になり、その行方がわからなかった。発見したボランティアの男性は大分県の尾畠春夫さんで、東日本大震災の時や地元のボランティア活動も積極的に参加し、何度も表彰されている人だった。多くの活動で得た知識や経験、そして勘がはたらいて発見できたとニュースにもなった。

「この時、『子どもは山の中では、下に降りるより上に向かって歩いていく』と、プロならではの発言をしています。表舞台に立つのはイヤだと姿を消してしまいました。年齢や男女に関係なく、さまざまな技術を持っている人は大勢います」(櫻井さん)

「あなたも何かちょっとした特技を持っているのなら『これはたいしたことがないから』などと卑下せず、それを生かす方法を考えてみてください」(同)

88歳で3つのオンラインサロンを主宰し、自分というブランドを磨き続ける櫻井さんがすべての「若者」たちへ送る、「自分をトータルコーディネートする方法」とはなにか。自分をブランディングし、ファンをつくれる時代にあなたはなにを武器にする?大学生や若手ビジネスパーソンに読んでもらいたい本として推薦したい。

さて、私は、4月18日に『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓する。櫻井さんは、版元である「きずな出版」の代表取締役社長の職責にもある。年齢を重ねるごとに強まるバイタリティに敬服しきりである。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

[本書の評価]★★★(73点)
評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し  「レベル0!読むに値しない本」50点未満

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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