食品ロス:賞味期限はいつまで大丈夫なのか

現在開会中の国会では、4月1日からの来年度予算を審議しています。そして予算成立後には行われる各種法案審議、その中に自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、共産党、日本維新の会、自由党、社民党の8党が参加する「食品ロス削減及びフードバンク支援を推進する議員連盟(超党派議連)」が提出する食品ロス削減法が4月には成立する見込みとなりました。これは、国会議員が党派を超えて力を合わせた議員立法です。

食品ロスとは食べ物が無駄に捨てられる食品のことで、日本では年間一人当たりの食品ロス量(51kg)は、年間一人当たりの米の消費量(54kg )であると同じぐらいです。

今回の食品ロス削減法は、まだ食べられる食品を生活困窮者や福祉施設などに届けることを義務にするという基本方針を政府が策定し、自治体はそれを踏まえ、具体的な推進計画を作成するという中身です。

地球環境問題や日本人のもったいないと感じる気持ちを考えても、食品ロスを減らそうとする方向性は間違っていないと思います。当然ですがそれ自体に反対はありません。

そもそも捨てることが多くなったのは、『あのルール』を作ったことが原因だと私は考えてます。あのルールとは、平成7年(1995年)からこれまでの製造年月日表示から期限表示に変わりました。当時、国会議員だった私は反対をしていたのですが結局、賛成多数で成立しました。

消費期限とはお惣菜やサンドイッチ、ケーキなど保存が長く効かないものが安全に食べられる期限のことで、賞味期限とはスナック菓子やカップラーメン、缶詰など長く保存できるものが美味しく食べられる期限のことです。

こういった事を踏まえ、製造者や販売者は消費者からのクレームを防ぐために期限に余裕を持たせます。そして期限を1日でも過ぎると消費者は食べてはいけない気分になり捨ててしまう。このような事から食品ロスが増えたのです。

私はこの法律に屋上屋を重ねて食品ロスを減らすよりも、製造年月日制に戻した方がいいと考えます。自分自身の目と鼻と口で食べられるか、美味しいかを判断した方がいいのではないでしょうか。
皆さんはどう考えますか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。