なぜ匂わせは不快なのか?匂わせハラスメント対策本

2019年03月29日 06:00

Photos by K.Bito

世の中には匂わせ屋という人たちがいる。親しくないのに「この経営者マブダチでね」と言い出す同僚。「日本の常識は世界じゃ通じないッス」と意識の高さを演出する後輩。なにかあると「昔は地元じゃ悪でね」と強がる先輩。

なんとなく、日頃から感じているモヤモヤがあってすっきりしたい人におススメの一冊がある。今回は、『「自分のすごさ」を匂わせてくる人』(サンマーク出版)を紹介したい。著者は、心理学博士の榎本博明さん。

<シーンA>
東京ザギンに本社がある、電○クリエイト(仮名)は業界大手の広告代理店。今月、匂田君は同社に転職した。社内には業界通のツワモノが多く大変そうである。
--ここから--
匂田:はじまして!今月からお世話になります、匂田と申します。
先輩:あのさー、サイバーのFさんって知ってる?オレ、よく飲みに行く仲なんだよね。
匂田:スゴいっすね!
先輩:M銀行の頭取とはバーベキューする仲でね。マジであの人やばいわ!
匂田:スゴいっすね!
先輩:と、いうわけでよろしく!
--ここまで--

<シーンB>
あなたは人事部から頼まれて新卒の島田君と外出することになった。お昼の時間なので近くで昼食をとることにした。話を聞くと、情報感度を高めることに関心があるようだ。
--ここから--
島田:先輩、この前の選挙投票率低かったですね。こんなの日本だけですよ。
匂田:えっ、そうなの?
島田:会議でも議論かみ合わないしホンネをぶつけ合わない。海外じゃ笑われますよ。
匂田:へぇ~そうなんだ??
島田:日本の常識は世界じゃ通じないッスよね!
匂田:ここは日本。お前、かっこつけてイワシの定食食べるなよ!
--ここまで--

<シーンC>
茨城県に本社がある、茨城自動車販売(仮名)は中古車ディラーである。店長(23歳)は地元の高校を卒業して同社に入社。4月に念願の店長に昇格してやる気に燃えている。今期、中途入社の鈴木君の売上が絶好調。しかし店長の評価は厳しい。
--ここから--
店長:なんだ、この売上は。こんなゴミみたいな売上で調子に乗るなよ!
鈴木:その言い方は納得できません。目標達成は僕だけです。
店長:ハァ?オレを誰だと思っている。オレは昔、『番長』だったんだぞ!
鈴木:『番長』っすか?スゴいっすね!
--ここまで--

以上は本記事用のフィクションである。「自分のすごさ」を匂わせて自慢してくる人たちの生態は興味深い。匂わせる人たちの思考が解説されている興味深い一冊。匂わせ屋(匂わせハラスメント。そんな造語ないかもしれないが)に困っている人におススメしたい。また、あなた自身が匂わせ屋になっていないかチェックしておく必要もあるだろう。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

<筆者新刊情報/4月18日発売予定>
波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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