縦書きの憲法が横書きの法律を禁じる!

2019年04月01日 06:00

情報通信政策フォーラム(ICPF)では「デジタルファースト」をテーマに連続セミナーを開催している。第1回は3月29日に木原誠二自由民主党衆議院議員にデジタル手続き法案について話していただいた。その模様は近日中にICPFサイトで公開する

セミナーの中で「なぜ法律は縦書きなのか」という質問が出て、木原議員は法律のデータベース化や英訳を進めるのをきっかけに横書き化を進めたいと回答された。

国会で審議される法案はすべて縦書きで書かれている。電子政府の総合窓口であるe-Govで今でも法令を検索出来る。しかし、それは現在施行されている法令(憲法、法律、政令、勅令、府令、省令、規則)に限られ、施行前も改正以前も閲覧できない。英訳して提供されている法律は極めて少ない。木原議員の回答は的を射ている。

帰りがけに総務省で官僚経験がある参加者からおどろくべき話を聞いた。彼は総務省に在籍した頃に法案の作成に携わったが、横書きにしようとして内閣法制局に叱られたというのだ。その理由は「憲法が縦書きだから」だったそうだ。

内閣官房長官が(なんと!)1952年に『公用文改善の趣旨徹底について』という文書を各府省の次官に送付し、「執務能率を増進する目的をもって、書類の書き方について、次のことを実行する。」「一定の猶予期間を定めて、なるべく広い範囲にわたって左横書きとする。」と指示しているのだが、70年近くたっても内閣法制局には指示は届いていないらしい。

国立公文書館デジタルアーカイブ「日本国憲法」より

すべての法律は憲法の下に位置付けられる。憲法が縦書きだからそれに従うべきと言われたら確かに逆らうのはむずかしい。打開策は一つしかない。横書きの憲法に変える憲法改正である。

憲法を横書きにするのと同時に法律もすべて横書きに変える。法律の中に「この法律において…とは、左の各号の一に該当する…をいう。」というような位置関係を含む表現があったら、憲法改正と同時に「この法律において…とは、下の各号の一に該当する…をいう。」と修正する。

法律のデータベースでは、他の法律を参照する法律はハイパーリンクを付けて容易に飛んでいけるようにする。データベースには、国民が事前準備できるように、施行前の法律も掲載する。改正前の旧法も掲載する。事件は発生時の法律で裁かれるという原則があるから、現行法だけ掲載しても不十分だからだ。

法律の英訳は、誤訳を避ける必要があり、自動翻訳にはかけにくい。用語集を整備して、専門家がそれを用いて翻訳し掲載するのがよい。

憲法改正の争点はデジタルファーストか、旧来のアナログベースを守るかである。憲法9条改正という世論が分裂する可能性が高いものよりも前に、この改正を試行してはどうだろうか。

ICPFでは4月16日にデジタルファーストに関する第2回セミナーを開催する。新経済連盟政策統括の小木曽氏にデジタルファーストの必要性について講演いただく。是非ご参加ください。

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