新元号『令和』発表:雰囲気が前回とは違うワケ

昨日11時40分、菅義偉官房長官が記者会見で新元号『令和』を発表しました。
来月5月1日に新天皇陛下が即位されたその日から、今年は令和元年になります。

昨日は朝からNHKも民放も新元号の発表を生中継するという特別番組を放送し、日本中が固唾を飲んで発表を待っていました。新元号をカウントダウンする曲まであり、平成生まれの人は初めての改元にワクワクするような感想まで述べられ、終始賑やかな雰囲気でした。

ですからもうすでに皆さんご存知だと思いますが、『令和』は万葉集の梅の花の歌「初春令月、気淑風和」から引用されました。『令』を漢和辞典で調べてみたところ、『良い』『おめでたい』『りっぱな』という意味があるそうです。そして『和』、これはもう聖徳太子の「和を以て貴しと為す」これに代表されるように言わずもがなですね。

今回の発表は、天皇陛下も政府も譲位が国民生活に影響を与えないようにと考えて、新元号を譲位前に発表しました。

前回、昭和から平成の改元は昭和天皇の崩御というタイミングでした。昭和天皇が崩御されたのが1月7日の午前6時33分。そして新元号発表が同日の午後2時36分と8時間弱しかありませんでした。

ですから、平成と発表し、『平成おじさん』と呼ばれた当時の小渕恵三官房長官は黒ネクタイで記者会見に臨んでいました。当時は私は大学四年生でしたが、崩御前にすでに昭和天皇は体調を崩されていましたから、世の中全体が自粛ムードでした。そのまま天皇崩御というタイミングと相まって発表になったわけです。今回はおめでたい雰囲気があり、前回とは全然違うように感じました。

さて、これまで元号は中国の古典『四書五経(四書は、「大学」「中庸」「論語」「孟子」
五経は、「詩経」「書経」「礼記」「易 経」「春秋」)』から引用されてきました。

前回の平成改元時も日本の古典から引用しようとはしましたが、最終的には中国の古典から引用されました。今回、万葉集すなわち日本古典から引用されたことは大きな意味があると思います。

万葉集は7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂された1200年以上前の日本最古の和歌集
それだけ日本が歴史と文化を長く有してきているということも改めて私達は感じることができたわけです。

私もそうですが、テレビで初めて『令和』と聞いたとき、あるいは人から聞いたとしても、最初はみんな「?」と思ったと思います。何でも最初はピンとこないと思います。
しかし、どんな2文字が発表されようとも、やがては慣れ親しんだと思います。

これからの1ヶ月「令和」とあっちこっち聞くでしょう。そして、5月1日にはなれ親しみ、『令和』の時代が幕開けるでしょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年4月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。