習志野高校はなぜ敗れたのか

2019年04月04日 06:00

平成最後となる第91回選抜高校野球大会は、愛知の東邦高校の優勝で幕を閉じた(毎日新聞)。スコアは6-0。東邦高校は2本の2ランホームラン、投げても完封と石川選手の活躍により、中身はワンサイドゲームとなったが、習志野高校との実力差は正直そこまでなかったと思う。

惜しくも選抜準優勝に終わった習志野高校(NHKニュースより:編集部)

準決勝までのデータを見ると、得点は東邦24、習志野21、失点は東邦7、習志野9、ホームランは各々2本と大差はない。たしかにこのゲームでは、習志野の得意とする小技で相手を揺さぶり、好機を作ってタイムリーで返すというゲームができなかった。1回表先頭がヒットで出たが送りバントを失敗してダブルプレー、4回表も同じく先頭打者がヒットで出たがバントを失敗すると、エンドランに切り替えて左飛でダブルプレー。走者も大きく上がった左飛だったので十分に帰塁できたはずなのに、レフトの前に落ちたと判断したのか2塁を大きく回ってしまっていた。

しかし、序盤でチャンスを潰してしまったことは、真の敗因ではないと思う。正直、先発のオーダーを見た時、習志野の勝利は難しいと感じた。それは先発投手だ。習志野はこれまで、先発に山内投手、岩沢投手の2人を使ってきたが、初戦の日章学園戦を除いて2回戦、準々決勝、準決勝と先発起用は失敗している。3戦ともいずれも2回までに失点し、特に準々決勝と準決勝は初回に3点を失っている。そして決勝も初回に3点を失った。準決勝まではエースの飯塚投手に継投して終盤で逆転するという形で星を拾ってきたが、決勝は初回に3点を失うと、点を取ることはできなかった。

1戦必勝の甲子園の王道は先手、中押し、駄目押しという形だ。特に先取点を取ると7割勝利すると言われている。このゲームで飯塚投手が出てきたのは、5回裏0-3の場面。それも、先発の山内投手が打者の打球を足に受けて退場した時だ。押っ取り刀で出てきた飯塚投手は、この回2ランホームランを浴びて試合は決した。

過去3戦とも先発を失敗しながら、エースの飯塚投手を決勝で先発させず、温存したのは何故なのだろうか(この後に試合があるのなら、まだわかるのだけれど)。準決勝までの球数は習志野飯塚投手が291球で、東邦石川投手の333球よりも少ない。戦いにifは禁物だが、もし飯塚投手が先発していたらと考えると残念でならない。きっと、外野にいる自分にはわからないチーム事情があったのだろうが、飯塚投手が先発で投げる試合を見たかった。

ただ、習志野高校は過去夏に2度の全国優勝を果たし、今回選抜で初の決勝進出を果たした。スタンドの「美爆音」を背に素晴らしいプレーをして観客を魅了し、立派な成績を残した。そして、チームを準優勝に導いた小林監督は名将の名に価する。夏にもう一度甲子園に帰ってきて深紅の優勝旗を手にして欲しい。

石川 了(とおる)宅地建物取引士
1982年中央大学卒業、NTT入社 退職後不動産投資業を営む ブログはこちらです。石川了ブログ

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