新元号で内閣支持率も上昇:失敗も少しあったが

2019年04月05日 06:01

共同通信社の緊急世論調査によると、「令和」について73.7%が「好感が持てる」と回答し、内閣支持率は52.8%で3月の前回調査比9.5ポイントの大幅増、不支持は8.5ポイント減の32.4%となった。また、日本の古典からの引用も84%が支持した。

官邸サイトより:編集部

安倍内閣としては大成功だが、細かいことを言えば、いくつかの誤算もあった。そのあたりを振り返っておこう。

本来なら閣議が終わるのはもっと早く、11時30分には発表できるはずだったが、11時41分までずれ込んだ。これは、閣議に先立つ閣僚全員協議会で意見が続出して予定より長引き、そのために押したのかもしれない。

もうひとつ考えられるのは、陛下への報告のタイミングだ。①閣議での決定→②宮内庁長官に杉田副長官から伝達→③長官が宮内庁から皇居に、次長が東宮御所に→④元号を定める政令に御名御璽(署名と捺印)という流れがあったわけだが、保守派の一部からは、陛下がすべて終わってからでなければ官房長官の発表はすべきでないという意見があった。

しかし、政令への御名御璽の前に内容を政府が発表することはむしろ普通だし、陛下や殿下にお伝えするのは、電話で副官房長官が宮内庁長官に、宮内庁長官から侍従に電話してご報告でもいいわけである。しかし、はっきりそう分かるとよろしくない。

そこで、ひとつ言われているのが、官邸から皇居へ、宮内庁から宮殿へという車の動きがNHKによって実況中継されてしまったので、①から④まですべて終わったのちに発表するしかなく、それで11時41分になってしまったという分析もみられる。ありうることだと思う。それが事実なら、ヘリコプターによる追跡を予想していなかったことはお粗末だし、宮内庁長官もあらかじめ宮殿で待機しておればよかったのにとも思う。

いずれにせよ、11時41分には③までは終わっていたから、菅長官は正午からの総理記者会見までタイトになったことを気にしつつ大急ぎで簡潔に発表したのであろう。

一方、令和を巡って「万葉集が出典だが、中国にもあった」という議論だが、趣旨から言って初の国書からといっていいと思う。ただ、中国に淵源があることを触れなかったのは、余計なことをいろいろいわれて印象を悪くしたのも事実だ。広至については、国書と漢籍と両方といっているのだから令和については気がつかなかったのだろう。

それでは、どこでどうなったのか?責任者はいるのか。論理的には、①提案者の中西進氏が知らなかったというのもあるが、江戸時代の注釈書にもある有名な話で、それはありえなさそうだ。

となると、②中西氏が知っていたが内閣官房が国書でも漢籍に淵源があるものは、それについても触れてくれと提案者たちに念を押さなかったので説明しなかった、③説明したがそのことが内閣官房のどこかで抜け落ちたかということだ。

いずれにせよ、問題は、個別に専門家に意見を聞いただけで、互いにほかの選者の提案について意見を聞かなかったらしいことだ。また、各専門家に聞いたのが同一人物で無かっらので、対応がバラバラになったいうこともありうる。

それから、BBCが意味を「order and harmony」として疑問の声が出ている。ウォールストリートジャーナルは、「”rei,” which can mean auspicious(縁起が良い) in traditional texts, and “wa” meaning peace」、ガーディアン紙は、「”decree(政令)” and “peace.”」とした。

私のところに問い合わせてきた外国のジャーナリストは、「厳しく律するような言葉だと行っている仲間もいるが、腑に落ちないので」と電話の趣旨を説明した。どうも、外務省がどういう意味なのか、速やかに英語で発信しなかったのに責任があるという観測もある。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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