政策立案の舞台裏:政・官・民をコーディネートする人材の重要性

2019年04月12日 06:00

少し前になりますが、G1の行動指針として発信されている『日本を動かす「100の行動」』を推し進めたとして、「100の行動アワード」の授賞式が行われ、「外国人労働者政策」「受動喫煙防止都条例」「海洋水産改革」の3つのテーマから「海洋水産改革」の分野でアワードをいただきました(詳細はGLOBISサイト)。

授賞理由は文末の通りですが、この授賞を通して、70年ぶりとなる漁業法改正の実現に、このG1の議論を含む多くの産官民の皆さんが議論し、行動したことが背景にあったことが、少しでも多くの方に伝われば嬉しく思います。

政治家が社会課題解決のために、政策の立案や法改正に取り組むとき、多くのケース、関連省庁と議論を始めますが、最近は民間の有識者や現場で直接関わる方々とタッグを組むケースも増えてきました。それぞれの政策立案体制に強み弱みがあります。行政と進める場合はプロセスが確立されているので、現実的で話が早いのですが、その分、過去の行政が積み上げてきた政策を否定するような案は出づらく、既存の政策の延長線上にあるものになりがちです。

民間と進める場合は自由な発想から始められるので、新たなルール形成とは相性がよく、革新的な政策が生まれる可能性が高いものの、行政の事情が加味されない分、現実性や具体性に欠ける場合が多く、政策の出口設計に苦労します。

以前は政治と行政の調整で多くのことが解決できていました。道路を作る、河川を改修する、観光に必要なハコを作る、と地域住民の要望を政治家が行政と調整して、予算をつけるというプロセスでした。しかし社会が成熟して、課題が複雑化し、いわゆるあちらを立てればこちらが立たずというような課題が多くなる中、全体を俯瞰し、ステークホルダーを巻き込みながら議論し、解決策を生み出すプロセスのほうが、うまくいくケースが増えています。そのような背景から、官・民の混成チームをコーディネートできる役割の重要性が増してきています。

実際に、官公庁に人材交流プログラムなどを利用して、数年単位で民間企業から出向していらっしゃる方々は、民間の専門的なノウハウを持ち込んでくださり、霞ヶ関の大変な戦力となっています。同時に行政の仕事を経験し、進め方のルールを理解することができるので、企業に戻った後、その「官と民双方のゲームルールを理解している」人として、大企業であればガバメントリレーション呼ばれる部門で日頃から政府とのコミュニケーションに従事されるなど、企業の側から政策立案に貢献される方もいます。

アメリカでは民間のシンクタンクやNGOが政策論議に大きな影響を持っていますが、政治行政から民間、またはその逆の転職は珍しくなく、相反する両方のルールや景色を見ることで、一人一人の仕事力が向上し、国全体の力がついているように思います。

私自身、民間企業から政治家の道へ進み、直近1年間は政務官として行政の立場を経験することで、より幅広い視野で課題解決に取り組むことができるようになったと実感しています。元来、官と民をコーディネートしながら課題解決に取り組むのは政治家の役割でしたが、今後、政治家だけでなく各分野で、官・民を行き来し学び合い、活躍する人材が増えていくよう、公務員制度改革や兼業・副業を推進して行きたいと思います。

今回アワードを授与してくださったG1は、そのような人々が議論をするためのプラットフォームの一つで、今回の漁業法改正の議論にあたり、「G1海洋環境・水産フォーラム」を通じ、水産・漁業の従事者、流通や市場関係者、食品会社、メディア、そして私たち政治や行政の関係者などがフラットに議論する場を提供していただきました。ステークホルダーとの課題共有や世論喚起、民間での具体的なアクションの実現など、改革の推進に大きな力をいただき、本当にありがたい場になりました。

今後も様々な政策分野で、幅広い方と議論できる場をつくり、課題解決に取り組んでいきます。

授賞理由: 「海洋水産改革」に関する行動
井植美奈子氏、小林史明

衰退の一途を辿ってきた日本の水産業を成長産業に変えていくため、昨年12月およそ70年ぶりとなる漁業制度の見直しを含む、水産改革関連法が成立しました。早採り競争の従来の漁業から、量の上限を定め、質を求める資源管理型漁業への日本漁業の大きな転換となり、日本の海の本来の価値を取り戻し、漁業を持続可能な成長産業とするためのこの改革は、小林氏、井植氏を中心としたG1メンバーのたゆまぬ努力の成果でもありました。

昨年立ち上がったG1のシンクタンク「G1海洋環境研究会」でG1メンバーが科学的知見に基づいて議論を進め、課題を抽出し、関係者に働きかけるといった行動を続け、昨年11月には法整備に向けて世論と関係者を動かすため、初めてのG1海洋環境フォーラムの開催を実現しました。お二人の行動を称え、今後新たな制度に心血を注ぎ、トレーサビリティなど残された課題の克服に向けたさらなる行動を期待して、この賞を授与します。

「100の行動アワード」の授賞式。 左はセイラーズフォーザシー日本支局理事長の井植美奈子氏

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小林 史明  衆議院議員(広島7区、自民党)

自民党青年局長代理、行政改革推進本部事務局長。 電波、通信、放送政策、海洋水産政策、社会システムのデータ、標準化に取り組んでいる。2007年上智大学理工学部卒業後、NTTドコモに入社。2012年の衆院選で自民党から立候補し、初当選。第3次、4次安倍改造内閣にて総務大臣政務官(情報通信、放送行政、郵政行政、マイナンバー制度担当)。公式サイト。LINE@では、イベントのおしらせや政策ニュースをお届けしています。登録はこちら


編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(自由民主党、広島7区)のオフィシャルブログ 2019年4月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明オフィシャルブログをご覧ください。

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小林 史明
衆議院議員(広島7区、自民党)

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