マクロンの聖堂再建5年後宣言と名古屋城の闇

2019年04月17日 16:00

マクロン大統領は2024年のパリ五輪までにノートルダム・ド・パリの再建を完了することを宣言した。普通に考えれば何十年もかかるのだろうが、フランス人がフランス人であるためにこの大聖堂は不可欠のものだ。

仏大統領府公式FB動画より:編集部

それを再建するのに何十年もかかっていたのではフランス人の歴史から2世代ほどが失われることになる。急ぐことを支持したい。とりあえず、5年間でいちおうの再建をして、そのあと徐々に恒久的なものに置き換えていけばいいことだ、

しかし、もしこれが日本ならどうか。船頭多くして船山に登るのたとえのように、長い議論をかけてコンセンサスづくりということになるのだろう。

Wikipedia:編集部

そして、思い出すのは、名古屋市の河村たかし市長が進めている名古屋城天守閣木造再建事業だ。これについては、名古屋城の天守閣は安土城などの時代と違って、もともと登ることを前提にしない飾り見たいなものだから、木造にこだわる必要はないと思う。

ただ、現在の天守閣も老朽化しているから、この際、質の高いものにという気持ちも分かる。

しかし、木造であろうが、鉄筋であろうが、それが石垣を傷めるとかいって、その方面の学者が妨害しているようだ。

仙台城でも、実質上の天守閣、つまり、城下町から見上げたときにランドマークとしてふさわしい場所にあった艮櫓(うしとらやぐら)を再建しようとしたら、貴重な土木遺産である石垣を改変することになるので、ダメだとか言うことになった。

むしろ歴史的景観を失われたままにしておくことこそ、犯罪的行為だと私は思う。ノートルダムのないパリが何十年も続くことなど考えられないし、金のシャチホコの天守のない名古屋も名古屋でない。

はっきりいって、そんなものを残す必要はない。調査をしてから工事ということで結構である。そんなことを言ったら、皇居のなかなどは建築禁止にしなくてはならないし、京都や東京のあちこち建築禁止にすべきなのだが、そんなことは言わない。学者様のご託宣をおとなしく聞く地方の人だから強く主張し、東京人など東京の開発には反対しないくせに地方だと妨害する。

そんなに遺跡保存が大事なら、大学でも、東京大学は貴重な加賀藩屋敷だから遺跡公園にしたらどうか。いちばん貴重な遺跡の上に建っているのは同志社大学で、なにしろ、室町幕府の花の御所や薩長同盟の締結された場所などの跡などのだから、巨大な近代建築などは早く撤去して花の御所の再現などに取りかかるべきではないか。少なくとも壊していい遺跡ではなかろう。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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