地方クラスタも学ぶべき、コミュニティマーケティング

レビューがすごい遅くなってしまったが、これからの地域でのサービス開発など含めて意識しなくてはならないのが「コミュニティ・マーケティング」。何かの事業を展開していく上で大切なのが、営業力やそこに投資できる資金量ではない、コミュニティという存在の形成をいかに効果的にできるか、というのが実際のところはビジネスの成長にもつながっていくという話。

ふわっとしたワークショップとかではなく、かといってガチガチ営業というのではない、本当にそのサービスを良くしていくというところに多くの人が顧客にもなり、かつだけど単なる消費者根性ではなくコミットしていくというスタイルは、各地で成果をあげるプロジェクトにも共通してみられるものでもあります。

アマゾンで利益貢献しまくってるクラウドサービスAWSですが、その日本でのコミュニティマーケティングを牽引した 小島 英揮 (Hideki Ojima)さんが自らの体験、経験をもとにしながら解説してくれている一冊。何か仲間を集めてと意識している人には、実践的に役立つことがたくさん盛り込まれています。個人的にもすごい参考になったし、活かしたいなと思います。

ともあれ、パラレルキャリアである小島さん個人の生き方的なところもまた参考になる形も多いでしょうね。現代の会社員の方々でも、何か将来に不安を持ったり、この会社に運命預けていいのかなとか、会社をやめさせられるみたいなことに恐怖を感じている人には、自分なりに自立していくというスタイルをどのように実現するか、マーケットでの自分なりの価値をどう高めていくかというのを説明されている。

この本に出てくるように優秀な人材は、地方などで単一企業などで雇用することは報酬などの条件面で不可能で、そもそもそんな気もない生き方を選択していたりする。だけどそういう人をうまく地方でも活用しないと、新しい仕事は作れない。そういう人をどう巻き込み、新たな従来とは違うサービスや商品を作るかという視点でもぜひ経営者の方には読んでほしいなと思った。

あと僕が98年から関わった早稲田商店会のRe-Netというメーリングリストとオフサイトでの集まり、ブログなどでの発信はまさにコミュニティマーケティングの初期パージョンだったなと思わされたところです。


編集部より:この記事は、エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、木下斉氏のブログ 2019年4月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、木下氏の公式ブログ「経営からの地域再生・都市再生」をご覧ください。