高齢運転者の事故:自動運転の導入に備えよ --- 井上 孝之

2019年04月24日 06:00

老人の運転による池袋の暴走事故について、池田信夫さんはライドシェアに解決策を見出しておられますが、私は自動運転が解決策の本丸だと考えています。

これまで老人が事故を起こすたびに「なぜ自動運転を導入しないのだろう」と思っていたので、今回、少し調べてみました。その結果としては、現段階では少し時期尚早ということですが、そう遠くない将来には実用化のレベルに達することも事実です。

Google自動運転車の車内(Steve Jurvetson/flickr:編集部)

この問題に関する私の基本的なスタンスは、老人には足腰と頭が大丈夫なうちはあちこちに出かけて行って、様々な人と交流して、消費をして残りの人生を楽しんでもらいたいし、それが認知症の予防や健康寿命の延伸にもつながると考えています。従って、老人が積極的に外出できるような環境整備には意味があると考えています。

現時点ではそれをはっきりと示す統計データはないようですが、すでに80歳以上のドライバーよりも自動運転の方が事故率は低いように思われます。後はそれをはっきり示す統計データが出てきたときに、社会全体が「老人に運転させるよりも自動運転の方が事故率は低いので、運転は自動運転に任せよう」と考えるのか、「そんな訳の分からないものに運転を任せることは怖くてできない」と考えるのかが問題です。

マスコミの立場に立てば、自動運転車が最初の事故を起こしたときに、センセーショナルな報道をして、不安を煽った方が視聴率を取ったり、紙媒体の売り上げにつながると思いますが、それを許すと、自動運転の実用化がさらに遅くなって、老人の事故が起こり続けてしまいます。

そのような事態にならないためには、「長期的には自動運転の方が事故率を下げることができる」、「1件の事故ではなく、統計が示す事故率の低さによって導入するかどうかを判断すべき」という認識を社会全体に広めておくことが必要だと考えています。

今回の事故を起こした老人は十分な資産があり、新しい技術にも興味のある人のようなので、自動運転車が販売されていれば、購入して今回のような事故は回避されていたかもしれません。

行きたいところにはいつでも行けるというクオリティ・オブ・ライフを下げずに、今回のような事故を防ぐためには、技術の進歩を適切に社会に取り入れていくことが必要です。自動運転という新しい技術を「いつ、どのように導入するか」という問題は社会全体で考えるべき課題であると考えています。

井上 孝之 
50歳を過ぎて、自分の運転が怖いと思うことが増えた技術系サラリーマン

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