子どもの自己肯定感を高めるにはなにが必要か?

2019年04月28日 06:00

画像は書籍より引用

言うことをきかない子どもの親に共通することがある。それは、子どもを強制し過ぎること。お母さんによく見られる傾向だ。今回は『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』(泉河潤一[著]、ディスカヴァー・トゥエンティワン)を紹介したい。

以前、子ども向けEQ(Emotional Intelligence Quotient)を手掛けている際、子どもが何をきっかけに勉強を好きになるか調べたことがある。結果は、知的好奇心が刺激される勉強は好きになるというものだった。運動神経の良い子どもに体育嫌いは少ないし、昆虫採集が理科好きに結びついたり、読書が国語好きに結びつくといえばわかりやすい。

「勉強しなさい」は、頭ごなしに子どもの言い分を聞かず、決め付けた態度をとることから嫌気を感じてしまう。知的好奇心が刺激されることもないから、このまま勉強嫌いになってしまう可能性が高くなる。この言葉はなんのメリットも生み出さない。逆に、子どもの勉強嫌いを加速させてしまう。

「勉強しなさい」と言われて「よーし、勉強する気になってきたぞ!」なんて思う子どもはいない。人間は周りからの指示、強制を嫌う生き物である。主体的にやると決めたことにはやる気が高まるが、人から強制されることには、なかなかやる気が起きない。

以前、米国デューク大学の行動経済学、ダン・アリエリー教授の『嘘とごまかしの行動経済学』(早川書房)を読んだことがある。そのなかで、4万人の大学生を対象に、20問の計算問題を5分で解かせた後、自己採点をしてもらって答案を提出し、満点ならば6ドルをもらえるという実験があった。その結果、国別、大学生の成績の優劣にも関係なく、70%の学生が嘘をつくことがっわかった。

もう一つの実験では、同じ実験前に、「私は大学の倫理規定に従います」という文書にサインをさせてから計算を解かせた。UCLA大では、旧約聖書の十戒を書かせた。すると、不正はゼロになった。この実験は、不正が人間の本質であることと、人間には誰にでも倫理規定が存在しているということをあらわしたものである。

同様のことが子どもにもいえる。疲れて勉強に集中できない生徒がいたとする。「翔太君(仮名)は、今日は疲れているね。学校に来ただけでえらい。無理しないで、寝てなさい。眠くなくなったら先生に教えてね」。このように言えば、子ども自身がずっと寝続けることに耐えられなくなり、自分からムクっと起き出して勉強をし始めだす。

子育ては、「どうしてできないの!」と嘆いても解決しない。子どもの自信とやる気をはぐくみ、自己肯定感を高めるコツとはなにか。本書を読むことで、親が知っておくべき、子どもの接し方が理解できるようになるだろう。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※4月19日に『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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