平成から令和へ:海外育ちの私が初めて感じた元号の意義

海外で育った私にとって元号は馴染みがないものでした。

何年かにいちど夏休みに帰国すると「おばあちゃんは明治生まれだから年はもっと上だよ」「今年は昭和55年。公太、終戦から何年か分かるか?」と日常会話に元号が出てくるのですが、まったくピンときませんし、それを毎回西暦に計算しなおすのも一苦労でした(「あれ?終戦は“1920”年だったかな?」と昭和と西暦の数字がまざって混乱してしまう事も多々ありました)。

発祥国といわれる中国を含め、日本以外で元号制度を採用し続けている国はありません。
よって学生の頃には、「効率化」「改元によって発生する負担の軽減」そして「日本の国際化」の為にも廃止するべきではないかと考えていました。元号には情緒的なベネフィットしか感じられなかったのです。

ところが、帰国して何年も経つとそれにも慣れてしまい、他の「なぜだ!?」同様、元号に対する疑問点も薄れていってしまいました(本当は若い頃のように何にでも疑問を持ち続けなくてはいけませんね…)。

宮内庁サイト:編集部

そして平成から令和へ。

私は今回の改元を通じて初めてその良さを感じとることができたと思いました。

それは日本人として感じる一体感。
高揚感。

少子高齢化を含むこれからの厳しい時代や世界的なパラダイムシフトをチャンスと捉えて乗り越えていくには国民の前向きな一体感が必要不可欠です。

それらを内包するシンボリックな旗標となり得るのが元号だと思いました。

これは、今回の改元が天皇陛下の崩御によるものではなく、生前退位によるものだったからこそ顕在化してきました。

そういう意味でも上皇さまのご判断と改革への思いは正しかったのです。

新しい歴史を日本人として共に切り拓いていく。

そんな清々しい幕開けとなった令和。

みんなで力を合わせて良い時代にしていきましょう!

Happy New Era


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、前参議院議員の松田公太氏のオフィシャルブログ 2019年5月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。