台湾総統選:郭台銘、トランプ大統領と面会

2019年05月03日 15:00

5月2日夕刻、台北のAFP・Bloombergは訪米中の郭台銘が1日、ホワイトハウスでトランプ大統領と面会して総統選出馬を伝え、その際、トランプが彼(郭)の目指す仕事は「骨が折れるよ」と警告した(American leader warning him that the job he is going for is “tough”.)と報じた。

ホワイトハウス前で記念撮影する郭台銘氏(公式FBより:編集部)

同記事はこの他に、1979年の米台国交断絶以降、郭氏以外には米大統領に面会した台湾の総統候補がいないこと、蔡英文が総統に就いた時にトランプ大統領が蔡氏に電話を掛けたが、これも前例がなく北京が抗議したことなどを報じている。

同紙は別の記事で、郭氏がフォクスコン(鴻海精密の中国子会社)で10億ドルを稼いだこと、AppleとHuaweiのスマホだけなく、他の主要な国際的ブランドの製品を組み立てていること、投資の大部分は中国にしていて安い労働力が彼の会社の成長を助け、100万人以上の労働者を雇用していることを報じた。

また、郭氏がウィスコンシン州に建設するディスプレイ工場100億ドルを投じる予定で、2年前の式典でトランプ大統領と郭氏が13,000人の雇用を創出することを誓ったことも報じているが、この計画が実際どれだけ雇用を創出するか、どれだけ税制優遇措置が適用されるかについては不確実だとしている。

他方、鴻海精密に対する税制優遇措置に関連しては、Epoch Timesが4月25日に「鴻海グループの2企業、中国政府から150億円近く補助金」との見出し記事を報じた。

同記事は、24日に台湾立法院経済委員会で時代力量党の徐永明議員が「鴻海グループの2企業、工業富聯と富士康は2018年に中国政府から9.42億元(約150億円)の補助金を受けていると述べた」と報じ、郭氏が国民党からの総統選挙出馬を表明しているので、補助金を通じた中国共産党による台湾への影響の拡大が懸念されるとしている。

時代力量党は、2014年のひまわり学生運動で若者から支持を集め、2016年1月の総統選挙で民進党の蔡英文を推薦して当選を援護した政党だ。その時の立法委員選挙では、初の挑戦で選挙区12人、比例代表6人を擁立し、小選挙区3人、比例区2人の5人が当選している。

記事には徐永明議員が、食品大手旺旺集団の財務報告を調べた結果、中国政府から10年間で152億元(約2430億円)を受けとっていると指摘したとも報じている。旺旺集団は、数年前に多数の台湾漁船が尖閣諸島に抗議に繰り出した時のスポンサーだったことが知られている企業だ。

国民党の候補者選び日程は未定だが、韓国瑜高雄市長に関して高雄の知人から入った情報によると、韓氏自身よりもまた国民党よりも、韓氏の周辺、すなわち妻で雲林県議も李佳芬やその父李日貴(県議を娘に継承)、佳芬の弟の明哲(雲林県議)らが韓の出馬に熱心らしい。佳芬一家は地方の名士で財力もあるようで、筆者の韓氏のイメージが少し変わった。

一方、民進党の関係では、30日に蔡英文総統が超党派国会議員連盟「日華議員懇談会」副会長の長島昭久衆院議員らと総統府で面会し、TPP拡大の際に台湾の参加に対する日本の支持が得られるよう望むとの考えを示した。 蔡英文と頼清徳の民進党の総統候補選びは少しずれこんで6月上旬になるようだ。

高橋 克己 在野の近現代史研究家
メーカー在職中は海外展開やM&Aなどを担当。台湾勤務中に日本統治時代の遺骨を納めた慰霊塔や日本人学校の移転問題に関わったのを機にライフワークとして東アジア近現代史を研究している。

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