聴覚障害者のための字幕放送が昔話となる日

2019年05月10日 06:00

総務省が実施する情報バリアフリー環境整備の一つが「視聴覚障害者向け放送の普及促進」施策である。

視聴覚障害者が放送を通じて情報を取得し社会参加をしていくために、総務省は「視聴覚障害者向け番組の放送努力義務化」、「字幕・解説放送普及目標の策定、進捗状況の公表」、「字幕・解説番組等制作費の一部助成」を実施してきた。

番組に付与された字幕の例(パナソニック)

字幕放送の実績は、2017年度の場合、NHK総合は総放送時間の85.3%だそうだ。在京キー局ではこれが61.4%に下がり、県域民放では47.5%と半分を切る。そこで、総務省は主に県域民放を対象に制作費の一部を助成している。

行政事業レビュー等でこの助成事業が取り上げられる都度、僕は次のように発言してきた。

複数人が同時に会話を行う生放送番組などは、字幕付与がむずかしいとして努力義務の対象から外されている。だからいつまでたっても付与率は100%にならない。音声を自動認識して字幕化する技術をテレビ受信機につけたらどうか。テレビメーカは字幕の正確度を競うだろうから、付与率も向上するはずだ。

発言は絵空事と退けられてきたが、あらゆる音声コンテンツに字幕をつけられる「Live Caption」機能をGoogleがAndroid Qに実装するという話が聞こえてきた。全世界4億6,600万人の聴覚障害者の利用を期待しているそうだ。

テレビ局が字幕を付与しなくても、テレビに「Live Caption」機能があればあらゆる放送に字幕が付くようになる。聴覚障害者のための字幕放送が昔話となる日は近い。

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