今週のつぶやき:菅官房長官はパスポートを持っていた

大津の園児死亡事故が大きな話題となりました。事故そのものは右折する際、前方を注意せずに前の車にくっついて行ったことで直進車と衝突したという単純事故です。逆に言えばこんな衝突がこれだけの事故につながるという恐ろしさとも言えます。先日も池袋でブレーキとアクセルを踏み間違えた事故があったばかり。ゴールデンウィーク中はあおり運転がずいぶん話題になりました。我々は自動車運転の原点に立ち返らねばならないのでしょうか?

では今週のつぶやきです。

あぁー、トランプ氏の懲罰関税…

この先どうなるかわかりませんが、とりあえず関税を課すという脅しは脅しではなく、そうなってしまいました。一度上げた手はなかなか下ろせないとすれば「おかしいな、中国はギブアップしないな」と思っているのでしょうか?幸いにも交渉は続けるとコメントされたことでNYの株式市場は114ドル上げて終わりました。個人的にはどこかで落としどころがあると思っていますが、さてどうなることやら。

ホワイトハウスFBより:編集部

市場は荒れていますが、どちらかといえば心理的要因でプログラム売買が進んでいるように感じます。どこで止まるかは安堵感あるニュース待ちになります。一部産業界からあまりの強硬姿勢には文句が出ているようで今後は駆け引きになりそうです。

ところで数日前の当地新聞にTPP11が発効したおかげでカナダ産豚肉の日本向け輸出がTPP発効2か月目にして前年同月比122%増となり、一位のアメリカに肉薄していると報じられていました。アメリカの畜産業者がこれを知ったら地団駄を踏むでしょう。TPP11をきっかけにカナダでは日本が再度注目されつつあり、私にもいろいろな相談が持ち込まれています。アメリカが無理をすれば他がある、ということです。トランプさんのやり方は即効性はあるのですが副作用も強いかもしれません。

菅官房長官はパスポートを持っていた!

外務省サイトより:編集部

あの菅官房長官がいつもの記者会見会場以外でテレビに映るのはせいぜい沖縄ぐらいだったように記憶しています。ところがなぜか、アメリカを外遊しているではありませんか?ペンス副大統領、ポンペオ国務長官らとの会談をこなす今回の使命はずばり、「名を売り、女房役からの脱皮の可否」だろうと思います。

いわゆる次期首相レースにおいて「令和おじさん」は小渕さんのように首相の座を射止めるのか、という国民の関心事を煽っているのでしょう。そのレースに参戦させ、他の首相候補と称される人たちに刺激を与えるということかもしれません。

次期のレースまではまだ時間がありますが、逆に時間がありすぎると話題になっている候補の賞味期限が切れたり、選挙時に最高のコンディションに持っていけなかったりします。河野大臣は昨年あたりは良い仕事をして面白いな、と思いましたが、ここにきて成果品が少なく、ロシア、韓国の外交は進んでいません。アメリカは安倍首相が直でやるし、中国は二階さんが仕切るとなると「旬」という考え方もあるのかもしれません。菅さんはずっといつもの調子でポディウム越しに感情なくしゃべることで可もなく不可もなくで一定の評価となるのでしょう。さてさて…

事務所の「見える化」

会社の役員室フロアの廊下にはふかふかの赤じゅうたんが敷き詰められ、美人秘書に先導され、トップの部屋に入る、というシーンをドラマで見た方は多いでしょう。今でももちろん、そういうスタイルの会社は多いと思います。が、密室の取引は近年、流行らなくなってきたように感じます。

当地のレストランでオープンキッチンが流行り始めたのは20年以上前。住宅の中のキッチンが主婦の牙城から家族皆で全員参加のコミュニケーション型に変わったのもその頃。しかし北米の事務所は相変わらず個室主義で社内でも相手のアポを取って個室に行くのが普通でした。

写真AC:編集部

オープンスペースでの仕事、そこにはほかの会社の人やライバルすらいる中で仕事をする時代になるまでにさほど時間はかかりませんでした。私の入居するシェアオフィスはやや古いデザインでまだ個室そのものなのですが、最近訪れたソフトバンクが牛耳るウィワークの事務所は先進的でした。個室がガラス張り。これでは居眠りはできません。格好いいガジェットを使いながら個人個人の仕事のスタイルを見せる時代になったと思います。

これ、ファッションなんです。洋服もレストランのシェフが作り出す美しい料理も仕事のスタイルも同じ。見られることを意識するんですね。机の上に書類を山積みにしているとほかの事務所から苦情が来る時代が来るかもしれません。

後記

私の参加するNPOの私塾で今年はAIがテーマ。今回は専門家をお呼びして専門家対素人の談義で盛り上がりました。学んだことは2つあります。コンピューターのプログラムはプログラムという範囲内で間違えないがAIは確率であり、エラーは起こりうること。もう一つはビックデータとAIのプログラムの組み合わせが生み出すその精度はデータが大きい程いいが、企業はそのデータをオープンソースにしないため、提携を進めないとAI戦略はできないことでしょうか?なるほどソフトバンクとトヨタが組んだ理由が改めてよく理解できました。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年5月11日の記事より転載させていただきました。