生保はブラックなの?保険営業から見たその実態とは!

2019年05月16日 06:00

Photos by K.Bito

生保は難しい。知識が無いとかなり手強い相手もいる。本体が軽自動車、オプションがベンツのような人をたまに見かける。だったら最初からベンツを買ったほうがいいではないか。

今回は、『私たちが保険営業を嫌うワケ~だから保険屋さんがイヤなんです~』(ファストブック)を紹介したい。。著者は、ファイナンシャルプランナーの下澤純子さん。

■よくある日常の出来事

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中途入社の山本君が入社2ヶ月目にしてようやく売上をあげた。学生時代の友人に売ってきたのは「貯蓄型の個人年金保険」。所長もほめてくれるに違いない。しかし評価は厳しかった。「なんだ、このゴミは?掛け捨ての商品(定期保険)をなぜ売らない」。鈴木君は「年金で不足する老後資金を支えるためにも必要です」と答える。

支社長は「ハァ?お前はバカか?ん。死亡保険金最低3000万円持って来い!」。メンバーを集める。「お前たち、ピンチはチャンスだ!夢に日付をいれろ!途中で諦めるな!夢にときめけ!明日にきらめけ!」。まるで、夕焼け番長さながら、青春漫画のようなセリフを繰り返すばかりだった。山本君のモチベーションは急速に下がっていった。
--ここまで--

本来は研修で鍛えられてから配属されるのが理想だが、研修が終わった途端に放り出さるのがこの業界。新人さんの悩みでこの悩みが一番多いと下澤さんは指摘する。

(下澤さん)「研修ではコンプライアンスのことをはじめ、『保険』とは何か、そして自社商品について学びますが、それだけで『契約をとってこい!』と言われても、入社したばかりの人は何をどうしていいのか分からないのです。結果追い詰められて、無理に友達を勧誘してしまったり、それもできない人は日に日に疲れていきます」

それでも、視点を変えれば、自分のやるべきことが見えてくることがあるという。

(下澤さん)「担当営業が辞めてしまったお客様たちのリスト、書かされた友達リスト、与えられた担当地区の地図、与えられた担当企業。すべて机の上に並べてみて、今後自分はどうやっていこうか計画を立ててみます。名刺の裏に、『新しく担当になりました○○です!』と書き、ポストに入れて来ようと行動に結びついてきます」

(同)「今の自分にできることで、具体的に細かく予定を作っていきます。契約をとってこようと思うからできないのです。丁寧にあいさつに来た人を即嫌いになる人や、ポストに入っていた名刺の挨拶文を見てイヤな気持ちなる人はまずいません。もしそういう人がいた場合は、その人には保険営業のことを嫌いな理由が他にあるのです」

■具体的に細かく小さくしてみる

(下澤さん)「具体的に細かくというのは、小さいことの積み重ねが達成感を生んでくれるからです。できることからコツコツと始めることが、契約をとりに行くことよりも大切なのです。やり方に縛られず、自分のやりやすい方法で仕事を進めていくことができるというのが、仕事のメリットでもあります。このことを教えてくれる上司が理想です」

(同)「私の話になりますが、この方法からたくさんの契約を生み出しています。これは、残念ながら会社に教わったことではありません。自分でこれならできると、やり続けたことです。相手を自分に置き換え、どうすればイヤな気持ちにならないのか考えればいいのです。実は、すべての業種に当てはまることかもしれませんね」

営業は、表面上、白板上だけの数字がほしいと思わないこと。本書は、生保業界を知り尽くした下澤さんが語る実践書である。過酷な営業ノルマで厳しいとも言われる保険営業の“選ばれるヒント”が見つかるかもしれない。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※筆者12冊目となる『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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