台湾の頼清徳前行政院長を地元(横浜市港北区・都筑区)に迎えて

この前の週末、11日の午後、旧知の台湾の頼清徳前行政院長(首相)が、私の地元である神奈川7区の横浜市港北区、都筑区に来られました。頼清徳氏が台南市長のときからのお付き合いで、私が青年局長の時にも、東京で、台北で、台南で会食や会談を度々させていただいた間柄です。

今回も私の地元において、シュウマイで有名な崎陽軒の工場や、地元の連合町内会、ニュータウンの一角のセンター北のモザイクモールや、都市と農業の融合の現場である都市農業の農家、綱島商店街、師岡熊野神社など、最先端と伝統の混在した街の「ありのまま」の姿を視察いただき、それぞれの場所で様々な方々の生の声にも触れていただいて、意見交換させていただきました。

台湾の前行政院長という政府の首脳が、こうした形で日本社会と深く交流することはあまりなかったとのことで、非常に喜んでいただきましたし、このことが、今後ますます重要性を増す日台関係がより深くなること、相互の友好と理解が深まることにつながる助けとなることを願いたいと思います。

頼清徳前院長とは、これまで日本と台湾の関係、東アジア情勢や今後の日本や台湾の経済成長戦略のあり方など、様々なことに関してざっくばらんな意見交換をさせてきていただきました。そのような中で、リーダーに必須な決断力や、緊迫する東アジア情勢における正しい地政学的認識などの点で、非常に素晴らしい政治家として信頼関係を築き上げてきた頼清徳氏が2020年の台湾総統選挙への出馬表明を行ったことに関しては、私自身日本人の一人として、また日本の安全保障に責任を持つ国会議員の一人として、非常に心強く感じた次第です。

台湾は、李登輝元総統のリーダーシップもあって、そしてその後のリーダーや何よりも台湾人のみなさんの力があって、平和裏に政権交代が自由な選挙によってなされる民主主義の台湾として繁栄しています。そして私自身も何回も出張で台湾を訪れていますが、中国共産党が支配する大陸と全く異なった、自由で人権、法の支配や航行の自由、知的財産権の尊重といったいわゆる「共通の価値」が尊重される素晴らしい社会が築き上げられています。

様々なものを輸入に頼り、また輸出に経済が大きく頼っている日本、そして急速な軍備拡張や東シナ海、南シナ海における挑発的な国際的ルールを無視した行動をとる中国共産党が支配する中国大陸の軍事的圧力にさらされている日本としては、このように民主的で自由な台湾が、日本の隣国として存在していて、台湾海峡の制海権を有している状況は、何物にも替えがたい財産です。

昨日朝の朝日新聞にもありましたが、露骨に台湾への軍事侵攻を軍の幹部が公言する習近平主席の下の中国共産党支配の国の異常な実態を考えれば、わが国の国民の安全を守り、アジアの安定を守るためには、アメリカとの連携を深めて今後のリスクに備えていく必要があります。

自由な台湾が中国軍に侵略されることが断じてあってはなりませんし、自由で民主的な台湾が国際社会で人権を無視する共産党独裁国家である中国によってその存在空間を狭められるようなことがあってはなりません。

2020年の台湾の総統選挙、台湾にとって非常に大事な選択です。同時に日本にとっても東アジアにとっても非常に大きな影響をもたらす選挙です。台湾のことを決めるのはもちろん台湾の方々ですから、様々な方が名乗りを上げている今回の選挙、日本政府の一員である私が特定の候補を云々することはもちろんしませんが、是非台湾の方々が中国の脅威とどう向き合うかを含め、様々な観点から、自分たちの将来を真剣に考えベストなリーダーを選んでいただくことを願ってやみません。


編集部より:この記事は、財務副大臣、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2019年5月15日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。