「私の履歴書」の書き手による当たり外れが大きい理由

2019年05月19日 16:30

日本経済新聞の名物連載「私の履歴書」ですが、今月執筆しているのは、脚本家の橋田壽賀子さんです。

Wikipediaより:編集部

この連載には執筆者によって面白さに大きな差があります。政治家、起業家、文化人の連載は面白く、官僚、財界人の連載はつまらないという一般的な傾向があります。橋田さんの連載は、脚本家が書いているだけに、毎回ストーリーが感じられ、思わず引き込まれます。

それ以上に興味深いのが、仕事のやり方に一本筋が通っていることです。

辛口ドラマを得意とし、セリフが長いのが特徴の橋田さんの脚本ですが、ドラマで問題提起をして、視聴者の共感を呼ぶのに必要な要素として、

(1)身近なテーマ
(2)展開に富んだストーリー
(3)リアルな問題点

という3つの要素を持っていれば、必ず視聴者の心をつかむことができるとコメントしています。これには、とても納得感がありました。

また、一緒に仕事をするかしないかを俳優さん、女優さんの場合は「人柄」で決めているのもユニークです。宇津井健さんや池内淳子さんは、人柄が良いからそれを活かす脚本を書いたとしています。

逆に、自分のやり方に合わなければ、躊躇なく辞めてしまう。TBSのドラマ「時間ですよ」では演出の久世光彦さんがアドリブで、ドラマと関係ないコントを入れたことに反発して降板。山口百恵さんと三浦友和さんの初共演で話題になった「赤い疑惑」も超多忙な山口百恵さんのセリフによって脚本が制約を受けるというので、これも降板。自分の脚本が納得できるものにならなければ、例え人気があるものであっても容赦なくやめる。

仕事を断るのはフリーで活動している人にとっては勇気の必要なことです。しかし、そこで自分のやり方を貫いたことが、独自のドラマのスタイルを作り出し、その後の名作の数々を生みだすことにつながったのです。

私の履歴書の面白さは、人生の振れ幅の大きさにあると言えます。官僚や財界人の書いている内容がつまらないのは、レールの上に乗った無難な人生が平板で、ワクワクするような魅力を感じないからです。橋田さんの連載は、月末までまだ3分の1が残っていますが、どんなストーリーを読ませてくれるのか、楽しみです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年5月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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