トランプ大統領が、対中強硬姿勢を貫けるワケ

安田 佐和子

トランプ大統領が約3,000億ドルの追加関税賦課の手続きを開始し、米経済への影響を懸念する声が聞かれています。

Gage Skidmore/flickr(編集部)

ダウは13日に一時700ドル超も急落するなど、米株にも打撃を与えました。その後、Tariff Manであると同時にDow Manであるトランプ大統領は即座に中国と交渉余地があると発言し、パウエル・プットならぬトランプ・プットを用意したわけですが、そもそも再選を狙うトランプ氏、なぜ対中強硬姿勢を貫けるのでしょうか?

中国の台頭許すまじという意識が働いているのでしょうが、やはり彼の眼は米国人のマインドに注がれているとも考えられます。

ギャラップが2月に公表した世論調査結果によれば、中国の印象を「ポジティブ」と回答した米国人は41%と、2000年以降で2番目の低水準に並びました。別の質問で、中国が米国の脅威と認識する米国人の回答者が21%と前年から10pt上昇、国別ではロシアに次いで2位となっており、著しく対中感情が悪化した様子が現われています。

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(作成:My Big Apple NY)

さらに、2018年7月にリリースした世論調査結果では、中国への貿易慣行を「公平」と回答した米国人は30%と、米中摩擦が激化した1993年の日本(24%)への評価に接近しつつあります。

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(作成:My Big Apple NY)

興味深いのは、党派別での貿易慣行に対する評価です。共和党で「公平」と回答した米国人がたった21%というのは納得ながら、無党派層でも31%民主党でも38%に過ぎません。むしろ、民主党も無党派層も「不公平」との回答が過半数でした。

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(作成:My Big Apple NY)

その背景にはマッチポンプ的ながら、2018年にトランプ政権が講じた追加関税措置に対する中国の報復措置も一因だったり?いずれにしても、アメリカ人の対中感情悪化は、トランプ政権が強硬姿勢を維持する口実を与えているといっても過言ではないでしょう。米経済が悪化すれば、それも変化するのでしょうか?


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年5月19日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。