2017年都議選時の怪文書犯が書類送検

2019年05月21日 11:30

こんにちは、都議会議員の鈴木邦和です。2017年の都議選時に、私の怪文書が選挙区内に配布された件で、約2年間の捜査を経て昨日被疑者が書類送検されました。NHKでもニュースになっていました。

冒頭に、捜査にご協力下さった全ての皆さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。今回のように選挙の怪文書犯が書類送検に至るケースは極めて稀ですが、後述するように多くの方々のご協力がなければ決して解決できませんでした。

私の怪文書は、2017年の都議選投票日の2日前に、選挙区である武蔵野市内の全域に配布されました。その日の朝に支援者の1人から「ポストに鈴木さんの怪しいチラシが入っていた」との連絡がありました。すでに選挙も最終盤に差し掛かっている中で受け取ったのが以下のチラシです。

ひと目見て、私に関する情報をかなり丁寧に集めた上で作成された、クオリティの高い怪文書だと感じました。有権者の方から不安そうな表情で「鈴木さんは本当に復興支援には関わっていないのですか?」と聞かれたことを覚えています。本人以上に周囲の動揺は大きかったかも知れません。

怪文書への対応

選挙時に怪文書を配布されると、その打ち消しはまず不可能です。そもそも選挙期間中に配布できるチラシは公職選挙法で厳しく制限されている上に、投票日の2日前となると訂正情報をSNSに出しても多くの有権者には届きません。また、警察も2日間で捜査して結果を出すことは到底出来ず、多くは証拠不十分で泣き寝入りとなります。

私の場合は、選対の事務局長を中心に別働隊を組織し、その日のうちに支援者の方々のポストに投函されていたチラシを出来る限り回収しました。そして、これが結果的に捜査の大きな証拠となりました。大量のビラを回収して警察に提出したことで、一部に残っていた指紋と防犯カメラの映像から配布していた人物を特定できました。

怪文書のもう一つ厄介なところは、その内容が虚偽であることを立証するのに大変な労力が掛かるということです。例えば、今回の怪文書では、私が東日本大震災の復興支援の活動をしている際に頂いた寄付金を、その後の起業資金に充てたという内容が書かれています。

この内容が虚偽であることを立証するために、私の個人口座、法人口座、当時の復興支援団体の口座の記録を全て警察に提出し、過去の出入金について1つ1つ説明することになりました。また、一緒に復興支援活動をしていた仲間や寄付して下さった方々、さらには私の過去の取引先にも証言して頂く必要があり、最終的に数十人の方々にご協力頂きました。皆さまには本当に大変なご苦労をお掛けしました。

怪文書の内容について

今回の怪文書の主な内容については、このブログ内で私から訂正の説明をさせて頂きます。いずれも虚偽であることが立証されたために、書類送検に至りました。

①「ウソだらけの経歴。鈴木は復興支援団体UT-Aidにはほとんど関わっておらず、極めて一時的な運営メンバーの1人であり、東大総長大賞を受賞していない。セレブ系私学生が豊富な資金を携えて集まっていた。」

→UT-Aidの活動は、多くのメンバーと共に続けてきたものであり、決して私1人の功績ではありません。同団体は東北の震災後2年間で2100名のボランティアを被災地に派遣し、ガレキ撤去やヘドロの除去を続けてきました。その活動は30代・40代の東大OB・OG組織である三四郎会を中心に、多くの方々のご寄付によって支えられてきました。東京大学の学生と卒業生が一体となって東北の復興支援活動を続けてきたことが評価され、平成24年度に東京大学の総長大賞を受賞しました。私自身は団体発足から1年3ヶ月ほど代表を務めていました。

②「復興支援資金→鈴木の起業資金→希望の塾の集金」

→本件については関連する口座記録を全て提出し、そのような事実は一切認められませんでした。

③「東大では女子大生への集団暴行事件も起き、実際に騙されたと涙ながらに訴える女性も出てきている。小学生を意見交換会に連れ去り、保護者の通報で大騒ぎになる事件が武蔵野市で起きていた。」

→いずれも警察の方で相談記録を全て確認しましたが、そのような事実は一切認められませんでした。

④「私の選挙事務所の保証人は深田市議でマージンを取っている。」

→保証人は深田市議ではなく、マージンを取っているという事実も一切認められませんでした。

怪文書を配布した人物と動機

今回、怪文書を実際に配布したのは、10人前後の大学生でした。大学生たちは怪文書の内容を知らずに配布していたと聞いています。その大学生たちに指示していたのが、六本木のクラブ系の人物2名とのことです。そして、その2名に指示をしたのが、おそらくニュースにも出ている西東京市在住の40代の女性です。

つまり現在判明しているだけで既に3層の指揮系統になっているということです。その時点で素人の犯行とはおよそ考えられません。被疑者は犯行の動機として「小池知事や都民ファーストの会が嫌いだった」と語っているそうですが、8000枚もの怪文書を隣の市に撒く動機としては不十分に感じます。

武蔵野市では、過去の選挙でも怪文書が配布されたことが何度かあると聞いています。今回被疑者が書類送検に至ったことで、こういう悪しき文化がなくなっていくことを切に願っています。また、私としては配布者の大学生など一般の市民をこれ以上追求する気は全くありません。さらに上位の指示者が判明した場合にのみ対応を検討したいと思います。

怪文書は選挙結果にどこまで影響するのか

最後に、選挙結果への影響についてです。私が怪文書を経験してみての実感は「怪文書はつい読んでしまう内容であり、候補者に対して懐疑的な見方が生まれるケースはある。しかし、あくまでも投票行動への影響は限定的。」というものでした。

今回の怪文書と同じ内容のブログ記事がネット上にもあり、それは選挙期間中に私の名前で検索すると相当上位にありました。つい気になって読んでしまうことは多いかも知れません。しかし、たとえ読まれたとしても、多くの有権者は賢く、怪しい情報の真偽を見極める力があります。

政治家に風評はつきものです。このような怪文書にも惑わされずに、私を信じて託して下さった有権者の皆さまのためにも、残り2年間の職務に邁進したいと思います。

改めまして、今回の捜査にご協力頂きました全ての皆さまに感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。


編集部より:この記事は東京都議会議員、鈴木邦和氏(武蔵野市選出、都民ファーストの会)のブログ2019年5月21日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は鈴木氏のブログをご覧ください。

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鈴木 邦和
都議会議員(都民ファーストの会、武蔵野市)

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