シンガポール視察報告③ Tell us what you think.

2019年05月23日 14:00

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)おくざわ高広です。

さて、シンガポール視察報告の第3弾はシンガポールのまちづくりの根本に流れる考え方についてです。

Tell us what you think.

この視察の中で、一番感銘を受けた考え方であり、私の政治感の原点を思い返させてくれました。

帰国後はSNS投稿の最後に必ず書いています。日本語に訳せば、

あなたの考えを教えて下さい。

この一文に、日本の政治・行政が変わるために重要なことがぎゅっと詰まっていると思います。

まず、この言葉がどこにあったかと言うと、Urban Redevelopment Authority(都市再開発庁)の1・2階のオープンスペース。

Draft Master Plan 2019 Exhibitionが開催されており、文字や図面、映像や模型などを通じて、これからシンガポールがどう変わっていくのか、誰にでも分かるようになっています。その横には、紙でもWEBでも自由にまちづくりへの意見を述べることができるようになっていて、たくさんの方々が展示物を見てまわっていました。



二階には常設展示で、シンガポールの歴史や長期的なビジョンを知ることができ、成長のために変化を恐れないという強いメッセージを感じました。また、パネルをタッチして質問に答えていくと、自分が大事にしている価値観が分かり、またその暮らしを続けていくと、社会にどんな影響を与えるのかが分かるような仕掛けもしてありました。例えば、利便性を求めて車での移動ばかりしていると、街中が排ガスで汚染されてしまう可能性があると示唆するようなものです。

シンガポールについて話すと、決まって言われるのが「シンガポールは一党独裁だから。日本では同じことをできないよ。」ということ。でも、実際にはスピード感をもって一体的な開発を行うために、様々なステークホルダー(利害関係者)から話を聞き、コンセンサス(合意形成)を図っていました。その考え方をCO-creation(共創)と呼びますが、これこそ日本に最も欠けているところだと率直に感じています。

知事選での小池知事のキャッチフレーズの一つが「都民が決める 都民と進める」であったこともあってか、現在の都議会の質疑では、議員から「都民の意見をよく聞くように」と付言がされることが大変多いです。しかし、実態は99%決定した計画について、パブリックコメントを聞くだけで、手続きとして「意見を聞いた」アリバイ作りのようなものばかりでだと感じます。加えて言うなら、パブリックコメントに寄せられる意見は、そのテーマに日頃から興味を持っている専門家や利害関係者(反対派が大半)のものばかりという印象です。

では、東京の意見の聞き方の何が問題かというと、

①計画を文書で見せるので、専門家でないと理解しにくい。

②そもそも計画の閲覧が不便。

※今でこそネット閲覧できるようになりつつありますが、検索しても情報にたどり着けないケースもしばしば。

③計画が出てきたときには、99%決定しているので意見することに価値を見出せない。

④意見聴取の場を用意しても、団体ごとや地域ごとに分けたり、賛成派と反対派を分けるので、建設的な議論にならない。一方的に行政が意見を受け取るという形。

⑤意見を聞きにいかない。

※シンガポールでは意見聴取チームが利害関係者のところに足を運び、報告書を提出するそうです。

う~ん、東京はそもそも意見を聞く気がないんじゃないかと思ってしまう状況。。。

私は、東京が今よりも成熟し、成長していくためのメインプレイヤーは、政治や行政ではないと思っています。東京都に暮らす一人ひとりが主体的にまちづくりに関わるようになったとき、本当の意味で東京大改革が動き出すと。その下地をつくることが、残された2年の任期でどうしても実現したいことです。具体的な方法はまだはっきりと見えてはいませんが、

Tell us what you think.

と言い続けることから始めていきます。

さりげなく置かれたDREAMベンチも刺激を与えてくれます。

さて、3回にわたって書いてきましたシンガポール視察報告。これまでの私のブログと森沢都議のブログ、あわせて読んでいただくと、より一層理解が深まると思いますので、改めてリンクを貼っておきます。次回は、食文化やIRなどの楽しい感じのものをお送りしたいと思います。

もりさわ恭子Official Blog 「いつも心に太陽を」より

危機意識が高まった…シンガポール
シンガポールからの学び①~戦略的な街づくり
シンガポールからの学び②~最初から海外を見すえた起業家育成&支援
シンガポールからの学び③〜ナイトタイムエコノミー&IR(統合型リゾート)
シンガポールからの学び④~スペシャルニーズ支援がオープンであること
シンガポールからの学び⑤~経済発展に繋げる教育


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年5月22日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログ『「聴く」から始まる「東京大改革」』をご覧ください。

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奥澤 高広
東京都議会議員(町田市選出、無所属 東京みらい)

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