日本共産党は最大の保守政党:デジタル法案審議で「紙を残せ」

デジタル手続き法は衆議院を通過したが、どんな審議が行われたのだろうか。4月26日の内閣委員会について議事録が公開されたので読んでみた。推進方向での質疑が続く中、日本共産党の特異性に引っ掛かった。

質問する塩川氏(衆議院インターネット中継より)

日本共産党塩川鉄也衆議院議員の質問は「住民票のコンビニ交付が始まり自治体出張所が廃止されている。本庁舎に出向かなければいけない住民は迷惑している。紙の処理を残すべきだ」。

大臣も含め政府側は「紙をやめる法案ではない」と穏やかに答弁していたが、僕なら次のように反論しただろう(だから僕は政治家に不向きなのだが)。

まずは自治体経営の観点。税収は無限ではないので、コンビニ交付で窓口交付が減れば、窓口を減らすしかない。併存は財政の赤字を進行させる。

コンビニ交付はなくせるという点。住民票を求める他の行政組織が住民票情報に直接アクセスできれば、コンビニで紙の証明書を取得する必要はなくなる。このことは二年前にも記事「コンビニ交付の普及よりも、証明書の交付不要を進めよう」で指摘した。

他の行政機関が住民票情報にアクセスできれば、出張所や本庁舎に出向く必要もなくなる。出張所が廃止されたのを不便に感じる住民にも応える施策だ。

第三点はアナログデバイドへの配慮がないこと。窓口に出向けなければ手続きできないというのは、寝たきりやうつ病、あるいは、車いす利用者などには困難であり、苦痛である。共産党は弱者を大切にする政党ではないのだろう。

塩川議員の主張は、要するに、行政サービスは昔のままに残したいということ。経済社会の変化を受け入れない日本共産党は最大の保守政党としか見えない。いずれにしろ、未来を託せる政党ではない。