川崎殺傷事件:小倉智昭氏の発言から鑑みる、原因を一元化したがるマスコミ問題

2019年05月30日 11:30

大変痛ましい川崎殺傷事件ですが、本日になり少しずつ犯人の情報が入って参りました。

報道によると犯人はご両親が離婚しており、何らかの理由でおじ、おばさんと暮らしていた無職の51歳。
そしてこのおじ、おばにあたる方が、犯人のひきこもり状態を行政に度々相談していたとのことでした。

これらの背景から、現在犯行の原因がひきこもりであったかのような報道がなされていますが、こういう問題の原因は決して一つではないはずです。

また事件の速報が入った火曜日の朝の「とくダネ!」での、小倉智昭氏の発言には、速攻で仲間から怒りの連絡があったのですが、なんと小倉さん

「こういう通り魔事件っていうと、犯人が薬物中毒っていう可能性もあるじゃないですか。
もう、自暴自棄じゃないとこういう犯行ってできないですからね。」

とコメントしたんですよね。

「とくダネ!」より

こうしてまたしても薬物事犯への偏見が増長されていくのだな・・・と、がっくりきてしまいました。
なんで通り魔=薬物事犯なんですか!
そりゃ薬物を使っていた人もいましたけど、通り魔事件は薬物問題などない犯人の方がずっと多いですよ。

そもそもワイドショーは、まだ何も情報がわからない中、しかも救助活動中であるにも関わらず、無理やりなんとかひっぱって誰かからコメントを引き出そうとしたり、現場からの映像を流しっぱなしにして、番組を持たそうとするから、程度の低い、だろう論、憶測、推測、偏見増長のコメントばかりになるんですよね。
今回犯行動機が「ひきこもり」とされてしまうことのないよう願います。

こういった猟奇的殺人事件を起こす人の問題は、原因を一元化などできるはずないです。
若い頃からなんらかの生きづらさを抱えていたり、環境や家庭の事情、本人の考え方の傾向、トラウマや精神疾患の有無、学校や地域社会とのかかわりなどなど、色んな問題が長い時間軸の中で、形成された結果なんですよね。

何よりも、地域支援で早期介入などができなかったのか?
という問題もありますよね。

ワイドショーはすぐ原因を一元化したがりますが、そうやってあるカテゴリの人を、吊るしあげるようなことは止めて欲しいです。
ましてやうかつに「こういう事件は=薬物事犯」なんてコメントは止めて下さい。
偏見を増長します。


田中 紀子 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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