NHKはなぜインターネットに取り残されたのか

2019年05月31日 11:30

NHKのインターネット同時配信を可能にする改正放送法が、5月29日に成立した。これによって今まで災害報道などに限られていたNHKのネット同時配信が、総合テレビ・Eテレのすべての番組に拡大され、放送と同時にPCやスマートフォンでも見られるようになる。

日本のテレビ番組が、インターネットで見られないのは異常である。普通の先進国では、ネット同時配信は常識で、技術的には容易だ。NHKもかねてから同時配信したいという意向を示してきた。どうしてこんなことになったのだろうか?

ネット同時配信で受信料は「視聴料」になる

NHKのネット配信は今年度中に始まる予定だが、NHKのウェブサイトやスマホのアプリで提供されることになろう。注目されるのは受信料だが、NHKは「受信契約を結んでいる世帯は追加の負担なしに利用できる」という。つまりテレビをもっていて受信料を払っている世帯は、ネット受信料を払う必要がないわけだ。

しかしテレビをもっていない人が、スマホで受信したらどうなるのだろうか。これについてNHKは公式に発表していないが、受信料を払っていない人が見ようとすると「契約を促すメッセージが表示される」予定だという。受信料を払ったかどうかはどうやって確認するのだろうか。

ワンセグ放送では、ワンセグチューナーのついた携帯電話をもっていると、NHKを見ていなくても「受信機」を設置したとみなして受信料を取られるが、アプリになると、どんなスマホでも受信できるようになる。

すべてのスマホを受信機とみなして受信料を取ると、スマホユーザーから反発を受けるので、受信料を払っている世帯のスマホだけが受信できる仕組みが必要だ。これは技術的には容易で、今の衛星放送のように番組をメッセージで見えないようにして放送し、受信料を払った世帯だけメッセージを消せばいい。

しかしこれは受信した人から広く徴収する受信料ではなく、見た人だけから徴収する視聴料である。これによってNHKは、WOWOWやスカパーと同じ有料放送に近づく。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 学術博士(慶應義塾大学)

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