130万回見られ1万9000いいねがついた投稿の秘密は?

尾藤 克之

Photos by K.Bito

情報過多・スピード重視の現代では「わかりやすい」「短い」「速い 」説明でなければ相手に伝わらない。「ポイントは3つあります」はマジックナンバーとして知られているが「3つもポイントがあるのか」と思わせてしまう。もっと端的な「伝わる言い方」がある。

今回は、『説明は速さで決まる』(きずな出版)を紹介したい。著者は、コピーライターの中村圭さん。「説明が苦手な人たち」に贈る、伝え方の技術本である。

著者のバズった事例とは

中村さんはあるSNSの投稿で、130万回見られ、約1万9000の“いいね”がつき、ヤフーのトップにも載ったことがあるという。それがこちらである。

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新人時代、よくアドバイスしてくれるコピーライターの先輩がいた。一緒に飲んだとき「なんでそんなに教えてくれるんですか?抜いちゃいますよ」と生意気なことを言った僕に、先輩は「バカだな。教える方はもっと上手くなるんだよ」と返した。教えることの大切さを教えてもらえた夜だった。
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(中村さん)「マンガやイラストなどの投稿は、ビジュアル的に目につくのでバズりやすいのですが、文字だけでバズる例は少ないので、注目を集めました。同じ程度のバズでも、たとえば偉人の格言などを使ってバズった場合、フォロワーはほとんど増えないというパターンも多いです。そんななか、この1投稿で1000人以上フォロワーが増えました」

(同)「なぜこんなにもこのツイートがバズったのか、自分で分析しました。要因は次の数式だったと思っています。『みんなが思っていることを言う』×『「新人のころ」という自分の体験談』。大きくバズが起きるものは、みんなが理解できるものです。なので、みんながうなづくようなものがいい」

この投稿は「教える人が、じつは一番勉強になる」という点がもっとも大切なポイントになった。「教えることの大切さ」は、誰もが知っていることでもある。

(中村さん)「いまの時代、既視感のある情報は無視されやすいですから、この情報だけでは、バズは起きなかったはずです。ここに個人の体験のストーリーが加わることによって、情報はオリジナリティを手に入れるのです」

自分のパターンを構築しよう

私はコラムニストなので立場が異なるが、数週間で1000万PVを超したことが何回かある。Y!ニュースに載りアクセスは総合1位だった。

記事の場合、バズらせるにはタイトルとイントロが重要になる。タイトルはリズムよく、イントロ部分でフックをかけなければいけない。上手く仕掛けをしないと、次の文字に誘導できない。

私はいくつかのサイトで記事を執筆しているが、イントロ部分に力をいれている。「フックが大事」といっても、そればかりに意識が向くと過剰な書き方になったり、内容がともなわない文章になったりしてしまうので注意しなければいけない。

さらに、それだけでは不十分である。バズらせたいなら、投稿する曜日、投稿時間まで考慮しなければいけない。自分のなかでパターンを決めることである。「投稿日時は、火曜日~木曜日、投稿時間は、AM5時~6時を狙う」、こんな具合である。

これはバズるなと狙って投稿することもある。当たるときもあれば、外れるときもある。そのような「トライ&エラー」を経験しながら自分のパターンをつくり上げればいいと思う。本書は、コピーライティングの技術が集約されているので、「基礎」を知りたい人にとっては非常に役立つ良著である。

[本書の評価]★★★(76点)

【評価のレべリング】
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し  「レベル0!読むに値しない本」50点未満
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尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。