日本武道館はライブハウスだ:LUNASEA 30周年記念

LUNASEAの30周年記念ライブに日本武道館に行きました。すり鉢状に建設されている日本武道館は正にライブハウス。満席のファンが飛び上がればフロアーが揺れる。音の振動が体に刺さる。この刺さる感覚を目覚めさせたのは、キャップを外した飲みかけのペットボトルを持った時、ペットボトルが振動で揺れ、手にじかに伝わってきたのです。キャップを閉めると「ブルブル」は伝わってきません。正に理科の実験のようです。

日本武道館は字のごとく、日本武道の練習場であり、競技場です。1964年東京オリンピックの柔道競技場として建設されたものです。ここは「日本武道の聖地」として理解されていたこともあり、1966年にビートルズのコンサートが行われた時は、批判も随分とあったようです。

ビートルズのコンサートが行われたこともあり、その後は音楽界においても聖地となり、「いつかは武道館コンサートを」という思いを持ち活動しているミュージシャンも多かったといいます。最近では「いつかはドームツアー」という考えもあるようです。

ドームや巨大アリーナのライブも良いかもしれませんが、僕は日本武道館のライブハウス感覚というか、ミュージシャンと観客の一体感の方が好きです。そして、例えLUNA SEAのライブであっても、日の丸の国旗が天井に吊り下げられている光景が、何とも日本を感じさせる。日本は、世界の人種・文化・芸術・政治等、全てを敵対するのではなく受け入れる度量がある国だということを示す一助になっていると思います。

武道とロックコンサート、違和感と言えば違和感があるはずです。それを受け入れるところが日本、僕はそんな日本が好きです。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2019年6月2日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。