かんぽの宿:やすい裏には絶対何かがある

2019年06月05日 16:00

全国にある「かんぽの宿」の内、11施設が今年12月20日をもって営業を終えると5月13日に発表されました。

そもそも皆さん、「かんぽの宿」って知っていますか、使ったことありますか。

現在は日本郵政(株)の経営ですが、かつては郵政省の簡易保険事業の一環として運営されていました。全国の観光地にある、簡単に言えば旅館です。

私が国会議員になったときから、ずっと疑問を持っていました。何故ならば、「かんぽ」すなわち「簡易保険」という生命保険ですよね。そして、「かんぽの宿」これは旅館ですよね。そもそも、これらの事業を国がやる必要あるんでしょうか。

だから私は、衆議院議員時代ずっと郵政民営化に賛成をし、小泉純一郎元首相が中心だった郵政民営化議員連盟の数少ないメンバーでした。そして、2007年10月1日に小泉政権で郵政は民営化されました。郵政民営化とは、日本郵政公社が運営していた郵政三事業(郵便・簡易生命保険・郵便貯金)と 窓口サービスを民営化(民間会社の経営に移行)したことです。

最近の「かんぽの宿」は平成27年が19億円、平成28年が24億円、平成29年が29億円と、全て赤字でした。

そして先ほども書いたように、現在は日本郵政(株)が運営していますから、民間企業としてはこれ以上、抱えきれなくなったことから、11施設の営業停止を判断したということです。

かつて郵政省の国営事業だった頃は、当然赤字運営でしたが、そのころは簡易生命保険特別会計から穴埋めのために交付金が出ていました。要するに税金で補填をしていました。

小泉政権のときの郵政民営化議論は賛成・反対の大変な議論で、衆議院の解散理由にまで至ったわけですが、あの当時の議論は「全国津々浦々の郵便局を潰すな。」という意見が出ていましたが、はっきり言ってそれは表面上の問題です。こうした「かんぽの宿」のような問題を抱えているから、私は郵政民営化に賛成していたわけです。

全国にある「メルパルク」も同じです。今もちろん民営化されていますが、こちらも以前の「郵便貯金会館」のことで「かんぽの宿」と同じようなカラクリでした。

だいたい簡保(簡易生命保険)は、生命保険の敷居が高かった大正時代に誕生したものです。もし、民間だったらやらないけれども、国や行政がやれば健康増進などの理由をつけてこうした宿を運営していました。だから安く利用できるには必ず裏があります。

「かんぽの宿」はまだ残り42施設ありますが、民営化された日本郵政が今後どうするか、行く末を見守りましょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年6月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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